チェーン専門店とSCデベロッパーが共通の軸を持って施設、店舗を評価できることが求められています。その評価軸は、大きく【1】月坪、【2】伸び率、【3】商圏人口の3点になります。チェーン専門店は、これまで施設評価を施設売上、あるいはデベロッパーが公表する商圏人口で判断していることが多いです。
しかし、施設売上は規模が大きければ(=テナント数が多ければ)高くなることが多いので月坪(=1テナント売上高)でみていくことが重要です。
というのも、家賃は月坪で払うので、家賃効率も合わせて評価できるからです。チェーン専門店で、自社ブランドの平均的な月坪、伸び率をクリアできていたとしても、出店している施設の月坪、伸び率をクリアしているとは限りません。
出店している施設の月坪と自社の月坪の大きなマイナスの乖離は、客層のズレでおこります。この場合、商品MDの変更(ブランド入れ替え)が必要になります。伸び率の大きなマイナスの乖離は、店長の入れ替えのタイミングでよくおこります。この場合、エリアマネジャーを含めて上手な引き継ぎの仕組み化が必要になります。特に、施設の10週/52週の共有が重要です。
また、デベロッパーが公表する商圏人口は設定基準がまちまちです。例えば、イオンモールは時分圏30分(40万人以上)を商圏範囲と設定しています。この時分圏の設定もデベロッパーによって違いますし、距離圏でしか設定していないデベロッパーもあります。弊社が持つSCデータベースの商圏人口は、施設売上から商圏人口を算出しているので、そのSCが本来とっている確定商圏人口であることがポイントです。
計算式は下記になります。
(確定)商圏人口=施設売上÷マーケットサイズ÷シェア
チェーン専門店は自社ブランドが得意とする(確定)商圏人口を知ると共に、得意とする(確定)商圏人口を持つ施設が、全国でいくつあるかを確認できるようになります。立地法になり、日本では大型の商業施設が以前のように増えませんが、定期借家契約が一般的となり、5~7年のスパンで既存施設のリニューアルが増えていきます。
既存施設のリニューアルは、1年で10%のテナント入れ替えが目標ですので、5年で50%、つまり半分のテナント入れ替えとなります。このリニューアルのタイミングで、デベロッパー、チェーン専門店が最適な施設、テナント(ブランド)を特定し、双方にウィン、ウィンの展開ができるようSCデータベースを上手に活用していただきたいものです。