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ショッピングセンター経営のキーポイント:競合対策

ショッピングセンター経営のヒント:競合対策

競合対策するうえで最大のポイントは前叩き(前準備)にあります。
多くの方はよくお客様の様子を見てから手を打とうとされますが、これは最もダメなケースです。
お客様が自店から離れてしまってから、再度同じお客様を呼び戻すことは至難の業です。
なぜなら離反したお客様が向かう新しいお店は既存店舗よりも店舗規模、店揃え、アクセス、ロケーションともに優っていることが多いのが普通だからです。
では、どうすれば良いのでしょうか?
ポイントは大きく3つあります。

☆ポイント1:食品強化

既存のショッピングセンターはその規模、ロケーションに関わらず、核店舗の食品SMの売上構成比が高く、最も客数が多いのが普通です。ですから、基本的にはこの核となる食品SM同士の戦いで勝てれば大丈夫なのです。

これらの食品SMの力が同等、または負けている場合でも自店の足元の商圏が厚ければ勝てるものです。
なぜなら新規オープンの競合店は確かにアクセスが良いことが多いのですが、店舗規模が大きく広域集客可能なロケーションに出店しているので、足元商圏が必ずしも厚いとは言えないためです。

お客様は食品のようなデイリーユースのものは、結局のところ近くて便利なところで買いますので、平日5日間の勝負に勝てれば十分に勝算はあるのです。
競合SCがオープンする前に、核となる食品SMの改装リフレッシュ、増床リニューアルができるのがベストです。

そこまでできない場合は、商圏内で圧倒的に集客できる名物催事をつくることです。
火曜100均、金曜夕市、日曜朝市。
核となる食品SMにお客様が入っていれば、テナント専門店の売上を維持することは十分に可能なのです。

☆ポイント2:固定客化

これまでのケースを振り返ると、競合SCが出店した際に売上を大きく落とすのは、ティーンズ、ヤングをターゲットとしたアパレル、雑貨店のようです。
彼ら、彼女たちは店舗に限らず新しいものに流れる傾向にあり、固定客化しづらい世代であるからです。

逆に、売上を維持伸ばしているのはミセスアパレルや理美容・サービスなどの固定客化がしっかりとなされているテナント専門店なのです。
確かに業種特性はありますが、本屋さんでも、お客様の顔と名前、趣味嗜好までしっかりと把握している店舗は売上を落とすことはありません。

テナント専門店の多くは、よく言われるように、上位20~30%のお客様で自店売上の70~80%を占めているようです。
つまり、この上位20~30%のお客様だけを維持するだけでも、売上が30%以上下がることはないのです。

そこで大事なことは、上位顧客の離反をなくすことです。
競合が出店する前に、自店の上位顧客の中で最近来なくなっているお客様にアプローチすることなのです。

☆ポイント3:前叩きの迎撃販促

オープン初日売上の50倍、セール期間中売上の20倍が店舗年商の目安となります。
これは何を意味するのでしょうか。新規オープンする店舗は、この目標売上を達成するだけの在庫を持っているということです。

せっかく競合対策をするのであれば、彼らの準備した在庫が売れてから仕掛けるのではなく、売れ残るように仕掛けることがポイントなのです。

先に仕掛けることは自店の売上がとりやすいだけでなく、競合となるSCにも大きな影響を与えることができるからです。
この迎撃販促では、これまでにない目標売上(最大日販)を掲げ、これを達成するために周到に前準備することが大切です。

また、この最大日販に挑戦する過程でテナント専門店を一体化させるのです。最大日販ができるときは、過去最高の客数となります。
この迎撃販促の成功は、テナント専門店の自信につながると共に、お客様に自店の凄さを改めて認識してもらうことができるのです。

丹羽 英之
チーフコンサルタント
商業施設の運営活性化のプロフェッショナル
入社以来、ショッピングセンターの集客プロモーションから開発・リニューアルまでを積極的に支援。 既存のハード(=躯体)・ソフト(=商品と人)の強みを最大限に活かしたソフトリニューアルを得意とする。 特に、船井流マーケティングをベースとした即時業績アップとテナント一体化支援に定評があり、数多くのファンを持つ。 数多くの共同店舗、テナント専門店のコンサルティングを数多く手がけた経験を生かし、近年はデベロッパー向け研修や専門店チェーンの研修を積極的に行っている。 中央会、商工会、会議所での講演実績も多数。明日からデキル!を信条にしたオモシロ事例満載の講演は、明るく元気がでると評判。