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なくてはならない存在になる! モノから思い出の時代

お客様のグループインタビューをよくやるのですが、その中でそのショッピングを利用しているお客様の理由は①近い②一ヶ所で全てが揃うということです。そして、何を一番期待するかというと、③子供を無料で遊ばせる場所という答えが返ってきます。

親やおじいちゃん、おばあちゃんは、良くも悪くも子供の言いなりです。子供が行きたいと言ってくれる。または子供を連れて行って安心なお店を目指すことが重要です。

住宅事情が変化したことや生活様式が変わり、家の中で豆まきや餅つきといった歳時記催事をすることが少なくなってきています。だからこそ、ショッピングセンターには積極的に催事場を利用して、子供たち向けの参加型企画を立ててもらいたいものです。

また、近所のカラオケ教室や合唱団なども発表の場を探しています。ショッピングセンターの最大の強みは、相当数のお客様が常にいらっしゃるということですし、このように近隣住民の発表の場として利用してもらうことが大切です。

時代はまさに「モノから思い出」へとシフトしています。そんな中で、これまで通り「商品を前面に出して安いですよ」だけではお客様が集まりません。
「安いお店は安さに負けてしまうのです」それではどうしたら良いのか?それはお客様にそのショッピングがなくてはならない存在となることです。常に地域に密着したイベントを行い、お子様が来たいというお店、近隣の学校、近所のお母さん方の発表の場としてもらうのです。何よりも大切なことは、まずシ
ョッピングに来てもらうことです。来てもらいさえすれば売れるのです。来てもらって売れないのは個々のテナント専門店に問題があるのです。

こんなことを踏まえて、僕がお伺いしているSCにこんな提案をしてみました。
このSCは茨城県にある地元主導型SCで、売場面積が約2,000坪、核店舗に地元スーパーが、サブ核店舗としてドラッグストアとダイソーが入り、専門店が約40店舗のショッピングセンターです。

ホームページ(HP)はあるものの全く更新されていない。けれども、これからの生き残りをかけて、お客様へ直接リーチできるモバイル販促に理事長以下役員さんが興味を持たれていました。しかし、HPのときのように、つくってはみたものの、期待した成果が得られるのかという不安をもたれていたのです。

HPにしてもモバイルにしてもあくまでもツールですので、やはり、ショッピングセンター全体の「コンセプト」が必要です。例えば、地域密着を標榜する地元主導型ショッピングセンターであれば、販促のコンセプトを「地域住民の発表の場」とすることです。そして、販促手法も売りを前面に出すのではなく、お楽しみイベントを重視するようにするのです。また、HPも「ショッピングセンターが行うイベント」をメインコンテンツとする「コミニティーサイト」へと切り替えるといったストーリーが大切です。

先程の茨城県のショッピングセンターに話を戻しますと、このショッピングセンターでは毎年、少年サッカーの冠スポンサーをしています。このサッカー大会は現在40チームが参加する県内でも大きな大会で、ショッピンセグンターのセンターコートで行われる表彰式は毎年大変に盛り上がっています。

そこで、この少年サッカー大会を手始めにHPも参加チームの写真とコメント。
トーナメント結果と試合写真の掲載。表彰式の模様などを掲載する「コミュニティーサイト」へと切り替えるように提案しました。それをモバイルを使って、お知らせするといった流れをつくるのです。また、HP上での勝敗予測懸賞。リアルな店舗での写真展示と写真プレゼントなども行うのです。モバイルでは単
に「●月●日にセンターコートで表彰式を開催」というご案内メールだけではなく、ご案内の下に「祝勝会はぜひ●●店で」とクーポンをつけることを忘れずに!こんな一連の流れをつくることでHPもモバイルも上手に連携が可能なのです。

モノから思い出の時代にショッピングセンター全体の販促コンセプトを見直してみては如何でしょうか?

丹羽 英之
チーフコンサルタント
商業施設の運営活性化のプロフェッショナル
入社以来、ショッピングセンターの集客プロモーションから開発・リニューアルまでを積極的に支援。 既存のハード(=躯体)・ソフト(=商品と人)の強みを最大限に活かしたソフトリニューアルを得意とする。 特に、船井流マーケティングをベースとした即時業績アップとテナント一体化支援に定評があり、数多くのファンを持つ。 数多くの共同店舗、テナント専門店のコンサルティングを数多く手がけた経験を生かし、近年はデベロッパー向け研修や専門店チェーンの研修を積極的に行っている。 中央会、商工会、会議所での講演実績も多数。明日からデキル!を信条にしたオモシロ事例満載の講演は、明るく元気がでると評判。