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【経営者の生の声】新規事業の前提となる現在の時流とは?

先進的な経営者は今の時流をどう捉える?

政府が「緊急事態」を宣言してから時間が経ちますが、間違いなく現在は、それまでとは「変化」しています。では、今後はどうなるでしょうか?結論としては、今後、今までと全く同じ世界に戻る訳ではないと思います。それどころか、この事態が起こっていなければ考えられなかった未来が実現すると考えることもできます。

この、時流の捉え方が、今後の事業展開を大きく左右すると考えます。「元に戻るまで現状維持で乗り切ろう」と考えるか、大変ではあるが「今こそ時流が大きく変わるタイミングなので、乗り遅れないようにしよう」と考えるかで、今のアクションが大きく変わり、それが中長期的には大きな差となってしまうと考えます。

先進的な会社の経営者が考えていることの一例です。

A社:今やっていない業務は不要かもしれない

●A社では、客数の落ち込みが徐々に出てきていますが、今までのような販促ができなくなっています。キャンペーンを打つことで人が集まるリスクがあり、自社の利益のためにそうしたことを行うべき時ではないとの判断からです。

●A社ではこの時流を、「常識を疑う良い機会」と捉えています。今まで漫然と行ってきた販促活動の見直しや、営業時間の短縮、営業方法の変更等、これを機に見直すべきことは見直したいと考えています。

●また、それをするのには良い面もあると言います。通常時であれば、今まで行ってきたことを変更するにはエネルギーが必要ですが、変化への社会の受け止めが寛容になってきていると感じています。例えば開店時間の短縮についても、今までは漫然と営業時間を変えずにきていましたが、営業時間を日によって(=お客様の行動により)変えることに、比較的理解を得やすいタイミングになっています。今回営業時間を短縮したのは一義的には「三密」を避けるためではあるが、今後お客様に受け入れられるようだったら、今後もそのままでも良いのではないかと考えています。

●そしてもちろん、(ここで詳しく書けないのが残念ですが)社会でのニーズ増を捉え、新しいことを考え始めています。こうした非常時ではありますが、今やめている、あるいは短縮している業務は、ひょっとしたら今後も(元から?)不要なのではないか?と、ふと立ち止まって考えてみるには良い機会だと思います。

B社:今後ゆっくり進むはずだったデジタルシフトが急速に進む

●B社は、今後ゆっくり進むはずだったデジタルシフトやデジタルトランスフォーメーションが一機に進むと考えています。具体的には、リモートワークなどまだまだ先の話と考えていた企業が、急遽リモートワークを取り入れました。営業や管理業務も急速にWEBに移行しています。

●一方で旧態依然とした働き方をしている会社が批判もされています。例えばハンコをもらうために出社する例も見られます。こうしたことは、今までも日本の働き方の問題としてずっと言われ続けておりましたが、ここに来て急速に改善が進んでいます。それが、コロナが収まったから元に戻るでしょうか?

●そして、この問題の影響下でも業績を伸ばしている企業は、今後も伸びる働き方やサービスを提供できると考えています。それは、このような時であっても必要とされるサービスが、今後中長期的に必要とされるニーズを満たすサービスだと考えるからです。

そうはいっても、自社の中でどう新規事業を考えるのか?次回はそのポイントについて紹介させて頂きます。

内田 洋平
株式会社船井総合研究所 事業イノベーション支援部
東京大学経済学部卒業。大手メーカーにて5年勤務(うち2年はアメリカ赴任)し営業・企画職を担当した後、㈱船井総合研究所に入社。
入社以来、市場調査、HD化、ビジネスデューデリジェンス、新規事業開発など多岐に渡るテーマのコンサルティングに従事し、累計担当PJ数は70社にのぼる。
現在は新規事業・事業戦略領域を専門とし、主にプロジェクトマネジメントを実施。新規事業の市場調査・計画立案・実行支援のみならず、 大手企業での新規事業構築にむけた研修も実施。