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コンサルティング脳の使い方(2)~ブランド戦略の思考フロー~

先日、ある地場産品メーカーから販売量拡大に向けたブランド戦略について相談があった。

ブランド戦略というと、各種広告によるイメージアップ、キャッチコピー、商品パッケージ等の変更といった施策を思い浮かべる人が多いだろう。
これらがブランド戦略の構成要素であることは正しいが、こういった“施策”を先行する思考フローに嵌ってしまうと成果が出にくい。

仮に「販売価格を上げて利益率と販売量を上げる」というゴールを設定した場合に、まず考えるべき事は、「施策」よりも「商材」そのものに着目することが重要である。

例えば、以下のポイントをクリアにできなければ、思いつく施策をむやみに実行しても成果を出すのは難しい。

1.当該地場産品について、消費者は、そもそもブランドを重視して購入しているか?

2.当該地場産品は、他府県の同一商品と比較した場合の差別化要素を保有しているか?

1は、消費者が当該地場産品についてブランドを意識せずに価格を優先して購入する商材である場合には、ブランド化が極めて難しいということになる。
2も同様に、他府県の同一商品との差別化要素が無ければブランド化は難しい。

さて、ここまでは一般的な議論である。ここから更に掘り下げて、以下に列挙した事項を検討しなければ施策には落ちにくい。

<1の場合>
・当該地場産品について、ブランドを意識して購入する消費者が少ない場合、どの程度までブランドを意識した購買にシフトさせることができるのか?
・逆に、当該地場産品について、ブランドを意識して購入する消費者が多い場合、先行ブランドをどの程度、駆逐できるか?

<2の場合>
・競合ブランドとの差別化要素が無い場合、販促活動のみでブランド価値を上げる事が可能か?
・競合ブランドとの差別化要素がある場合は、その差別化要素によりどの程度、消費者をひき付けることが可能か?

これらを検証することにより、獲得可能なシェアがある程度明確にすることができ、ブランド戦略の方向性も明確にすることができる。

しかし、これでもブランド戦略としては、まだ浅い。
ではどのような視点が必要なのか?

例えば……

■メーカー1社の努力で、当該地場産品をブランド化できるか?(これはブランディングコストの問題で、コストが少ない場合には、どんな施策を優先すべきかという議論)

■中長期的にブランディングコストを増やしていくとしたら、どのような内部施策が必要か?

■現状よりも粗利率(額)をアップするためには、どのような販売チャネルを選択すべきか?(既存の販売チャネル、既存の顧客を対象としつつブランド化か可能か?新規の販売チャネル、新規の顧客を獲得すべきか?)

■結局、誰をターゲット顧客としてブランド構築するか?

この他にも、ブランド戦略については、まだまだ考えなければならないことはあるだろう。
広告代理店ではなく、我々にブランド戦略の相談が多く寄せられる理由はここにある。

濱野 雄介
船井総合研究所 プロジェクトマネージャー