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コンサルティング脳の使い方(3)~細分化思考~

先日、ある専門学校でマーケティング講座を実施した。1グループ5~6名でワークショップを行ったのだが、議論のプロセスを良く観察してみると、参加者の思考回路が手に取るように分かる。

ほとんどの参加者は、与えられたテーマをそのまま飲み込んで解決策を出そうとする。当然、アウトプットは総花的であり、面白みが無い。
面白みが無いというのは、言い換えると「これなら上手くいきそうだ!ぜひ、やってみたい」という感覚にならないということである。
このマーケティング講座の受講者は専門学校の生徒なので、ビジネス経験は全く無いので無理もないが、「細分化思考」が欠如しているのである。

具体例で説明しよう。

〔ワークショップのテーマ〕
・カーディーラーが新規顧客を獲得するために必要な施策を列挙せよ。

上記のテーマを与えると、どのグループでも以下のような施策を挙げてくる。
・イメージの良いTVCMを積極的に行う。
・ディーラーの店舗をきれいにする。入りやすいお店作りをする。
・チラシをたくさん配布し、訪問営業を積極的に展開する。
・メーカーが良いクルマを開発できるように、顧客ニーズを聞き取りメーカーにフィードバックする。

これらは回答としては、全く間違っていない。

では何がまずいのか……。

施策を考える前に、獲得すべき「新規顧客」を自分達なりに定義できていないのである。その結果、議論が深まらず、一般論に終始してしまうのである。

例えば、獲得すべき「新規顧客」を、運転に慣れてない免許取立ての20代の女性と定義するのと、スポーツカーを好む中高年のベテラン男性ドライバーと定義するのでは、プロモーション手法は全く異なる。

このように、与えらたテーマの定義の仕方(前提の置き方)により、施策を考えるプロセスや、打ち出すべき施策が変化する。
したがって、「新規顧客」という言葉をそのまま漠然と考えるのではなく、「細分化」して考えることが必要である。

与えられた問題を、どのように細分化して定義しているか。

これを観察してみると、ビジネススキルのレベルを把握することができる。

濱野 雄介
船井総合研究所 プロジェクトマネージャー