こんにちは。船井総研の濱野です。
前回に引き続き「戦略のフレームワーク」の第2弾として、フレームワークを使いこなすためのちょっとしたコツをご紹介します。
ポイントは一言で言うと「大きな枠で抽象論を語るよりも、小さな枠で具体論を語る」という極めて単純な発想です。具体的な例で説明してみます。
■ マーケティングの4Pについて
ご存知の通り、マーケティングの4Pは、「Product(商品)」、「Price(価格)」、「Place(販売場所、販売チャネル)」、「Promotion(プロモーション)」を指します。
ですが、このフレームワークは不自然だと思いませんか?
「そもそも、Price(価格)はProduct(商品)に付随するものだから、Price(価格)をProduct(商品)と分けて考えるのは不自然ではないか?」、「Product(商品)という枠組みだけでは大きすぎないか?」と考えるのは私だけでしょうか?
Price(価格)だけを別にして考えるのであれば、Product(商品)の中身も以下のように分解した方がスッキリすると思います。
Product(商品)という一つの枠組みの中で、思いつきのままに商品戦略を書き連ねるより、上記のように商品の構成要素を分けて考えた方が、戦略の方向性が具体的になりますよね。
当社でも新卒社員が毎年入社しますが、彼らはビジネス書に載っているフレームワークをそのまま使用するために、非常に理解しづらい報告書を出してくるケースがよくあります。
上記の例で言えば、彼らは商品戦略を大きな一つの枠で考えてしまい、自分なりに既存のフレームワークをブレイクダウンできないということです。
(Price、Place、Promotionについても、細分化すべきでしょう)
■ 営業力強化について
同様に、営業力の強化がテーマになっている企業の場合、フレームワークをどのように活用すべきかについて考えてみましょう。
「営業力強化」というテーマを一つの枠で考えていても、アイデアレベルの打ち手がバラバラ挙げられるだけで、体系的にまとまりのある打ち手は見つけづらいはずです。
このような場合には、以下のようなツリーを作ってみると良いでしょう。
一般的に、営業力の強化を考える場合には、営業マンのテクニカルスキルだけを向上させることに注力しがちです。しかし、営業実績が上がらない要因が営業マン以外に存在していることもあるので、上記のようなツリーを使用し、問題の核心を掴み、打ち手を具体化していくことがポイントとなります。
営業力強化のフレームワークは、上記以外にも様々なパターンが考えられるので、皆さんも、より使いやすい枠組みを作ってみてはいかがでしょうか。