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意思決定をより確実なものとする分析技術[マーケティング戦略・営業戦略]

こんにちは、船井総研の濱野雄介です。

今回は「意思決定のための分析技術」についてお話しします。
昨年のイチロー選手の活躍は記憶に新しいと思いますが、イチロー選手が世界記録を塗り替える数日前に、http://www.major.jp/に最終予測案打数が掲載されていました。気になったのでその最終予測安打数の計算式をチェックしてみると、以下のような算出方法になっていました。

■最終予想安打数の算出方法

最終予想安打数=
現状の安打数+〔(現状の安打数÷マリナーズ消化試合数)×残り試合数〕

これは非常に単純な式で、要するに今までの平均打率のみを指標として最終安打数を算出する方法です。コンサルタントであればこの単純な計算式を見て、誰もが「問題だ・・・」と思うでしょう。イチロー選手の打率(安打数)が、何に影響を受けるかという視点が、この式には含まれていないからです。(平均をとっているので、大まかには加味していることにはなりますが・・・)
正確にイチロー選手の安打数を計算するには、対戦ピッチャー、球場、天気、試合開始時間、イチロー本人の体調・モチベーション(前日の安打数、試合結果などによる影響)・安打記録へのプレッシャーなどを考慮すべきでしょう。(もちろん他にも影響要因はあると思いますので皆さんも考えてみてください)
つまり、イチロー選手の安打数に影響を及ぼす要因を、外的な要因と、イチロー選手自身に関わる内的要因という2つのフレームの中から探し出す作業が必要になるということです。
これは企業活動に置き換えて考えると、外部環境と内部環境を考慮して売上予測を行うのと同じ手法といえるでしょう。売上アップのための戦略を策定する際に、外部環境と内部環境という大きなフレームの中から、相関がある指標を見つけ出す作業は、企業が意思決定を行う際には欠かせない作業といえます。
意識的に操作が可能な指標(KPI)が見つかれば、その指標を向上させることで売上アップが可能になるわけですから。
わかりやすくいえば、「KPIを探す」というアクションが「意思決定のための分析技術」で、その結果として「KPIを上げる」というアクションが「意思決定」という図式になります。

ここで注意していただきたいのは、あくまで「分析をする」というスタンスをとるということです。当たり前の話ですが、分析をせずに、現象面だけをとらえてアクションをとると、戦略を大きく見誤ることになります。

単純な例として、ドレッシングメーカーのA社の「意思決定」についてご紹介しておきます。

<例>
A社:単品売上ナンバー1のドレッシングCを持っている
B社:単品売上ナンバー2のドレッシングDを持っている

この情報だけを見て、ドレッシングCは売上ナンバー1だからこれ以上伸ばすのは難しいと考えるのは早計です。A社のマーケティング担当は、単純に、自社のドレッシングCと、競合B社が持っているドレッシングDの認知度を調べました。すると、結果はナンバー1であるはずのドレッシングCの認知度が70%で、ナンバー2であるドレッシングDの知名度が90%もあったのです。

どういうことかお分かりですよね?A社が持っているドレッシングCの売上がナンバー1にも関わらず認知度が低いということは、その売上がリピーターによって支えられているということです。したがって認知度をアップさせる(新規客の開拓)ための戦略オプションをとれば、まだまだ売上を伸ばせるということになります。
逆に、ドレッシングCの認知度がDよりも高ければ、認知度のアップではなくリピート率の向上を狙った戦略をとるべきでしょう。
分析をすれば、有効な打ち手が見つかるはずなのに、現象面だけをみて戦略を決めてしまう企業は意外と多いものです。
多少手間がかかるかと思いますが、基本に忠実に戦略の見直しをしてみてはいかがでしょうか。

参考:ドレッシングの市場は、現在約640億円/年。単品でナンバーワンになるにはドレッシング市場の1割以上(64億/年)の売上を獲得しなければならないというのが現状です。

濱野 雄介
船井総合研究所 プロジェクトマネージャー