ビジネス関連のニュースを見ていて、「人手不足倒産の増加」「有効求人倍率が過去最高」「人件費の高騰」など、人手不足を起因とする問題をよく目にされるかと思います。特に、売上高に対する人件費の比率が高い「労働集約型」の企業さまは、人手不足でお悩みの方が多いのではないでしょうか。
人手不足の対応策として「採用」は、もちろん重要です。しかし、今後労働市場は厳しくなる一方であるため、採用と合わせて既存の業務を改善し、生産性を上げる必要があります。
船井総研ではそういった業務改善のお手伝いをさせていただいております。ある介護施設では、人手不足だったのにもかかわらず、むしろ業務改善を通して、生産性が20%上がったことで、1日3.5人の常勤スタッフ分の業務改善ができ、人手不足状況から脱却できました。
本コラムでは、どのようにして業務改善をしたらよいのか、ポイントをご紹介いたします。本コラムを通して、自社の業務改善にご活用いただけますと幸いです。
業務改善効果の最大化を図る
既にみなさまの会社では業務改善を取り組まれていることかと思います。例えば、
・新しい社内ルールの導入
・ICTツールの導入
・アウトソーシングの活用
・属人化対策のためのマニュアルの作成
など
どれも重要な業務改善の方法です。しかし、より業務改善効果を最大化するためには、「どの業務を、どのように改善していくか」がポイントです。
改善すべき業務とは?
優先的に改善すべき業務を見つけるための視点が2つあります。この2つの視点に基づき、忙しさが集中している業務を改善していく事例をお伝えいたします。
①忙しい日がある(ある特定の日・時間に業務が集中している)
②忙しい人がいる(常にある人に偏って業務が集中している)
まず、
①忙しい日がある(ある特定の日・時間に業務が集中している)について解説いたします。
ある特定の曜日や月末に業務が集中していることが無いでしょうか。
介護施設では、入浴介助や食事介助、起床介助などの業務がある日や時間はとても忙しく、人手不足の状況を生んでいます。
例えば、入浴業務の改善方法として、入浴までの移動誘導にIoTを用いて連絡しあい、ムダな時間を減らします。また、一人あたりの入浴する時間も20分と決めて、入浴業務のルールをしっかりと決めます。これらを実行するだけでも、ある施設では入浴業務で月66時間の業務改善ができています。
次に、
②忙しい人がいる(常にある人に偏って業務が集中している)
ある特定の人に業務が偏っていないでしょうか。
特に、有資格者が資格の必要のない業務を行っており、生産性が下がっていないでしょうか。介護施設では、看護師などの有資格者が事務業務を行っており、本来やるべき介護業務ができていない状況があります。
介護職の生産性上げた事例として、ある施設では業務分担を明確にし、「分業化」を行いました。よって、介護職が介護に集中できる環境を整備していきました。その際の業務改善の変革に伴い、常勤の介護職員が3名程度退職してしまいましたが、分業化によって、パート職員2名で対応できる体制を作ることができました。
今回は、介護の事例をもとに業務改善の事例をご紹介いたしましたが、どの業種・業界でも共通して、改善が可能です。みなさまの会社でも「忙しい日」や「忙しい人」はいませんか。もしかしたら、それは業務改善が必要な状態かもしれません。本コラムを参考に、業務改善を行い、人手不足の波を乗り切りましょう。
執筆者:高収益化支援部 チームリーダー 今亮太郎
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