令和4年平均の有効求人倍率は1.28倍で、前年に比べて0.15ポイント上昇し、徐々に採用市場の復活の兆しが見えてきております。ということは、コロナ前の経済に戻り、採用競争の激化が予想され、ますます人が採用できない時代が戻ってきます。
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人手不足は嘘?人財の余白を見つける
地方や都心部に限らず、企業の人手不足は頻繁に耳にされますが、本当でしょうか。男女共同参画白書 令和3年版によると、女性の労働力率は40年の推移で見ると上がっているものの、いまだ30代の労働力率は約76%~78%であり、約20%以上は余白があります。少なくとも、20代後半には85.9%は働いているわけですから、10%近くの女性が働いていだけど、働いていない状態(例 出産・子育て 等)だとわかります。
地方中小企業のご支援をしていると
・◯◯さんが結婚したから、そろそろ産休に入るかもしれない
・お子さんが小さいから、◯◯さんは時短勤務になりそう
・産休明けで、◯◯さんが戻ってくるけど、何の業務をまかせようか
という声を聞きます。企業側としても、ご本人としても、「働きたいけど働けない」を叶えられないのは大きな課題です。しかしながら、その課題を乗り越えて事業化に成功し、持続的成長する長野の中小企業があります。
事例:”働きたいけど働けない”人材を活かし、業界平均4倍の成長率の長野の中小企業
人口15万人の長野・上田市に位置する「はたらクリエイト社」は、2008年に妻の出身地である長野県上田市に移住した井上拓磨氏が2012年10月に創業しました。現在、129名の社員がおり、女性比率95.1%・小学生以下の子育て中の方が84.6%だそうです。まさに「ママ」が活躍しており、社名でもある「はたらくをクリエイト」する会社と言えます。通常、約4%の売上成長率のところ、「はたらクリエイト社」は約16%成長しております。
これからの事業戦略は「未経験人財の早期戦力化」が必須キーワード
なぜ、「はたらクリエイト社」は持続的成長ができているのでしょうか?それは、「事業戦略」と「人財戦略」に秘密がありそうです。事業戦略として、未経験人財でも早期戦力化できるように「商品の絞り込み」と「分業体制」を敷いております。最初は全員がパートタイマーとして入社するものの、複数の雇用形態から自分にあった働き方を選択できます。事業領域の絞り込みをし、特定の商品に特化させることで未経験人財でも早期戦力化できているようです。実際に接客業のアルバイト経験のみの30代ママも数年でDXエンジニアへ成長し、人財育成に成功しております。
しかし、創業から5年は事業も様々立ち上げるものの売上0。苦戦が続く中で、磨き込んだ商品が軌道に乗ったため、1年で50名の採用に成功しましたが、急速な組織拡大により、多くの課題が産出。そこで、社名でもある「はたらクリエイト」の軸からブラさないよう、ミッション・バリューを言語化したことで組織の土台・カルチャーが生まれ、新たな事業が続々と生まれております。
どのように紆余曲折を乗り越えてここまで成長したのか、今回セミナーで井上拓磨社長にご講演いただきます。ぜひ、ご参加ください。