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激動の2020年IPO市場はコロナによりどのような影響があったか

新型コロナの影響の中、上半期は上場承認取消しが続いたものの、下半期以降の新規上場承認数の急増により、新規上場企業数は2019年を上回る見込み

2020年上半期の振り返り

2020年は東京オリンピックの開催が予定されていたことなどから、景気が上向くことが期待されていました。また、2020という区切りがよいこともあり、IPO企業数も例年の90社を大きく上回ることが予想されていました。しかし、新型コロナウィルスの影響から、2020年1月から6月の6か月間のうち、東京証券取引所では合計53社(TOKYO PRO Market5社含む。)の新規上場が予定されていたものの、3月と4月に合計18社の上場承認が取り消しとなる、激動の半年となりました。

2020年下半期の振り返り

2020年5月以降、新規上場承認数は、8月11社、9月5社、10月4社、11月24社(記事作成時点)とも回復傾向にあります。また、一度は上場承認取消しとなったものの、その後再度承認され、新規上場する企業も増加しました。

2020年総括

2020年11月に新規上場承認の24社はいずれも2020年12月中に上場予定となっていることもあり、2020年の新規上場企業数(予定含む、記事作成時点)は、合計91社(東証一部4社、東証二部9社、ジャスダック14社、マザーズ62社)と、2019年を上回る社数となっています。内訳としては、マザーズの63社は2018年、2019年と同数ですが、ジャスダックが2019年の9社から増加しています。また、TOKYO PRO Market(以下「TPM」)への上場は10社と、こちらも2019年を上回っています。
なお、札幌証券取引所と福岡証券取引所への新規上場は、新興市場であるQボード、アンビシャスを含めても0社で、名古屋証券取引所はジャスダックに上場している2社が名証二部にも上場し、TPMに上場していた1社が新興市場であるセントレックスに上場しました。

2021年の展望

引き続き、新型コロナの影響に景気が左右されることが予想されますが、日経平均株価が2020年11月に連日でバブル経済崩壊後の最高値を更新するなど、コロナに終息後を先取りするような動きをみせています。その為、新型コロナに業績の影響を受けにくい企業を中心に新規上場は継続するものとみられます。
また、2022年4月から東京証券取引所の市場再編が予定されております。それにあわせて新規上場基準の一部変更も予定されていることから、2021年のIPO市場は東京証券取引所の市場再編後を見据えた展開になります。さらに、新規上場基準の一部変更に伴い、TPMへの注目度が高まってくることが予想されます。
今後、IPO(新規上場)を目指そうとしている企業は、新規上場のために必要な基準を把握した上で、「自社はどの市場でのIPOをターゲットにすべきか」という視点を持つことも必要になってくると考えられます。