生産性を上げるためには「標準化」「効率化」で実現できることもありますが、一方でチャレンジしていきたいのが「生産性の高い事業の付加」「生産性の高い商品・サービス付加」です。
不動産会社の場合、多くは設立当初は借入の要らない仲介事業から始めます。中古住宅や土地の仲介から始まり、成長すると中古住宅仲介時のリフォームを事業として付加します。そして借入ができると分譲・建売事業を付加するようになります。
売買仲介だと1件につき単価50~100万円の取引ですが、中古+リフォームだと150万円の取引、分譲・建売だと300~500万円の取引単価となります。このように、仲介から中古+リフォーム、分譲・建売を事業付加することで一人当りの生産性は年間1,800万円から2,000万円、2,500万円と上がっていきます。
1店舗売上が1億円から9億円へ
昨年のグレートカンパニーアワードにおいて業績アップ賞を受賞された株式会社不動産SHOPナカジツでは、売買仲介から中古+リフォーム、分譲・建売を事業付加することで1店舗売上が約1億円から約9億円に上がりました。
同社で事業付加がスムーズに進んだポイントは2つです。
(1)既存事業のシェアを落とさない、上げていく
既存事業である仲介は裾野の大きい集客事業となります。分譲・建売の件数を伸ばすためには既存の仲介事業のシェアアップが欠かせないという発想で進めた
(2)既存事業と収益事業との連動
リフォームや分譲・建売を全く別事業として始めたのではなく、同じ店舗、同じ営業メンバーが売る体制をつくった。また既存メンバーへリフォーム・建売など新商品の理解を推進する勉強会を定期的に行うことで、事業が連動した
既存事業と連動した収益性の高い事業や商品・サービスの付加により、生産性アップへとつなげてはいかがでしょうか。