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計画立案における3つの観点

成長企業の定義を知っているだろうか。定義は難しいものの、船井総研では、売上及び経常利益が、ともに昨対で115%以上伸びている企業にしようと言われている。
簡単に115%というが、年率115%成長を5年続けると企業規模は倍になる成長スピードである。

さて、現在の日本国内は、景気の浮き沈みはあるとしても、基本は縮小均衡である。伸び盛りでグローバル展開しているところは、成長著しいところもあるが、国内をメインにして動いている企業や部門は苦戦をしているのではないだろうか。
そんな中でも、計画を策定する場合、マイナス成長計画はよほどの理由がない限り創れないだろう。

ちなみに、経営計画を立てるときに重要な3つの観点があるという話をよくしている。
【1】現状と市場の観点
【2】ビジョンの観点
【3】行動の観点

【1】の“現状と市場の観点”は、企業の現状を加味しながら、世の中の景気動向はもとより、その企業が位置する業界や周りの競合、環境要素を加味するというもの。
現場に計画を立てさせると、多くの場合、この現状及び市場観点での計画がでてくる。「全体的に市場環境が厳しいので、今期は102%が精一杯です。」などは、よくでてくる言葉であるが、現場は常にこの環境と戦っているため、そちらに引っ張られがちである。そのため、ここだけで計画を組む会社やボトムアップで計画を立案する会社は、保守的な計画になりやすい傾向がある。

これに対して、経営層は【2】の“ビジョン観点”を計画立案の元とする場合が多い。
「10年後、企業規模を倍にしたい」など、自分が思い描くビジョンがあり、そこから逆算すると今期は最低110%成長が必要であるという論理展開。当然、この“思い”がないと、企業の成長や変革のパワーが出てこない。

そして、トップダウンが強い企業は、この観点で計画をたてる場合がほとんどである。これ自体は問題ないものの、気をつけないといけないのは、現場で押し付けられた計画という意識が強くなったり、ハードルの高い目標が毎期たてられ、連続で目標未達が続くと、計画は達成できないものという意識が現場に定着している会社もよく見かける。こうなると、計画づくりの意味がなくなってしまう。

そこで、この【1】と【2】をつなぐのが【3】の“行動の観点”である。
現状とビジョンの間には当然ギャップがあるもの。このギャップをどうすれば埋められるのかを考え、計画を立て、行動に落とし込むことが計画立案において、もっとも重要なことである。

昨年と同じ行動をとっていれば、当然、厳しい環境下でよくてトントン、下手をするとマイナス成長に簡単になってしまうのが現在である。昨年より、昨月より、昨日より、目標やビジョンに向かって違う動きがプラスアルファでできるか、行動の変革が行われているか、これが最も重要な計画づくりにおける要点である。

菅原 祥公
株式会社船井総合研究所 執行役員 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け講演/デューデリジェンス
どのような企業にも必ず“存在意義”があり、常に“長所を核とした成長の 種”はある】をモットーに、企業の三宝である「理念やトップのビジョン・戦 略」、「マーケティング」、「人・組織・マネジメント」そしてその結果としての 「財務」といった各要素を多角的に判断し、事業全体のデザインを再構築し ていくことをテーマにコンサルティング活動している。株式公開をはじめ、 事業再生や事業承継がからんだ事業計画立案、M&A案件にも多く関わっ ており、現在、船井総研の経営戦略コンサルティング部門を統括している。 ○主な著書 「最新ビジネスデューデリジェンスがよーく分かる本」 秀和システム刊 「図解入門ビジネス 最新中期経営計画の基本がよーくわかる本」 秀和システム刊 「経営の極意」 総合法令 刊(船井総研社員との共著)などがある