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3店舗目からの出店戦略

店舗ビジネスの経営者の方のご相談でかなり多いのが、
「3店舗以上に店を増やしたいが、どうしたらいいか」というものです。

創業店がそれなりに成功して、2号店もなんとかできた。

でも、3店舗目が立ち上がりからうまくいかない。いろいろと頑張ってみるが、
結局閉店することに……
こういう事例がとても多いのです。

私が駆け出しの頃、チェーン店の経営者や本部の中枢にいらっしゃった先達より、
「3店舗の壁」と「30店舗の壁」という言葉を教えていただきました。

現実を見てみますと、そのとおりといえます。

ローカル店舗がリージョナルチェーンになるには3店舗の壁を越える必要があります。
ージョナルチェーンがナショナルチェーンになるには30店舗の壁を越える必要があります。

過去に様々な企業様の診断をした経験からも、この「壁」の存在は明確なのですが、
ではどうすればその「壁」を突破することができるのでしょうか?

いずれの壁も、突破するために必要なのは「人材」の育成にあることは間違いありません。

3店舗目の壁を突破するためには、経営者と「信頼関係が築ける人材」が求められます。
そのため、創業店舗や2号店までしか店がない段階で、
3店舗目以降の出店を見据えた人材を先行して雇い、
経営者の考え方を理解吸収してもらう期間が必要です。
人材に先行投資することが必要なのです。

収益が上がっている時点で、収益を重視するのか、次への人材に投資をするのか。
そのスタンスが3店舗以降の成否を決めるといえます。

信頼関係とはすなわち、裏切らないかどうかです。
人を裏切るような人は、もともと人間性が低いわけですが、
浅い付き合いではそこまで見抜けないこともあります。

短時間の面接では困難で、ある程度場数を踏んだ上で
その人間性を見抜いてからにしないといけません。

経営者にとっては、この「裏切らない人」を何人つくれたかで店舗数が決まります。

価格、商品、原価率といったビジネスモデルも大事。
立地も大事、宣伝も大事。ほかには大事なことはいくらでもありますが、
多店舗化においてもっとも重要なのは、社員との信頼関係にあるといえましょう。

これがクリアできていたら、次は出店判断です。
出店判断はずばり、3店舗目までは「適正規模」で出店することが最重要です。
小さすぎる店では利益を上げられません。大きすぎる店では経費がかかりすぎます。
自社にとっての適正規模、これを見出すことが出店判断上の最重要ポイントになります。

適正規模とは「勝ちパターンのルール化」にほかなりません。
自分たちの強みをもっとも発揮できる規模は何坪なのか。
小さな店ほど「強み」は大切で、それを十分に発揮できる状況で挑まねばなりません。

人材、適正規模、ここまでクリアして、それからはじめて「立地と家賃」の検討に入りましょう。

多くの事例では、人材もいない、適正規模もわかっていない、
けれどもいい物件が見つかりました、どうしましょう?
ということに陥りやすいですが、
これが一番危険です。

いまや店舗ビジネス成功の難易度はかなり高くなっています。

2号店までは勢いでできますが、3号店以降の出店は知恵が必要になります。
勝負は「勝てる状況にしておいて挑む」、これが大切です。

山本 匡(ヤマモト タダシ)
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/ショッピングセンター経営・ディベロッパー経営 船井総研における店舗開発・物件開発の第一人者。大型ショッピングセンター開発を中心とした、店舗・物件開発を多数手がける。ビジネスモデル構築を得意としており、開発業務を支援するのではなく、成功する事業構築を支援することを信条としている。 実務面では、マーケティング調査から立地選定、建築・内装計画、レイアウト、運営計画、コストコントロール等、SC開発の実務に精通。地元主導SCにおける多くの経験をもとに、タウンマネージャーとして、地方自治体や商工会・会議所、TMOにまちづくり事業への助言実績も多数。専門店の店舗開発・リニューアルも手掛けており、店舗だけではなく商品開発でも成功事例多数。