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お店中心時代から顧客中心時代へ

『来期は105%の業績アップを実現しよう』
『それなら10店舗の新規出店が必要になりますね』
小売業での業績アップのセオリーは新規出店である。この常識は変わる事が無いと考えられてきた。しかし、その傾向が変わりつつある。

“もはや出店ではありません。年間平均購買単価10万円の会員を何名増やすのかが大切です”これは大手アパレルメーカーのマーケティング部門のトップへのインタビューで印象に残った言葉である。リアル店舗に人を呼び込むためにデジタルをどの様に活用するのか?こうした発想は、もはや古いと言わざるを得ない。この発想をしていては時流に乗り遅れる危険性がある。

ECサイトを作ろう。顧客管理をしよう。物流改革をしよう。お店にタブレット型のPOSレジを導入しよう…こうした取り組みをしていれば、新しい時代の主人公になった気がするのかもしれない。しかし、ここには大切な視点が抜けている。どこにビジネスモデルの核(コア)があるのか。その視点である。

仮に1店舗の出店で年間8,000万円の売り上げができるフォーマットを持っていたとしよう。10億円の業績アップのためには、12店舗ほどお店が純増すれば目標は達成する。すべての店舗の出店が年度初めという訳にいかないとしても、恐らく20~25店舗ほどの出店で目標は達成するだろう。これはリアル店舗が小売の中心軸として機能していた時代の考え方である。

インターネットが発展し、顧客はスマホで購入する事が当たり前となった。顧客は常に買い易さを求めている。購買頻度が高く、商品を手に取らなくてもイメージできる商品であれば、簡単で便利な購入方法へと流れていく。手許で購入し自宅に配送される。自分にとってこだわりのある商品でなければ、ECで購入する確率はさらに高くなっていくだろう。

これからの時代は、この人は店舗の顧客。この人はECの顧客という区分に意味が無くなる。いかにリアル店舗に足を運んで頂くかという事にも意味は無くなる。リアル店舗で手に取って、その場でEC経由で購入し、自宅まで商品を届けて貰う。リアルとデジタルが融合し、その境界線が無くなっていく。

中心にいるのは顧客になる。自社の商品を毎年購入してくれる顧客が何名いるのか。来年は予算達成のために、その会員を何名に増やすのか。お店中心から顧客中心の時代へ。確実に時流は移っている。その為の準備を始める必要がある。

長島 淳治
株式会社船井総合研究所 チーフ経営コンサルタント
入社以来、OA機器業界やIT業界を中心としたマーケティングやセールスに関するコンサルティングで多くの実績を上げる。 近年は、セミナーを活用した「セミナーマーケティング」を得意としており、反響率・成約率の高いセミナーづくりにおいて多くの実績を挙げる。