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トップ営業社員の思考法

メーカーの営業社員研修時に“トップ営業の思考法”という話をさせていただくことがある。今回は、その内容に触れる。皆様、メーカーになぜ営業職が必要であるか考えたことがあるだろうか。最大の理由の一つに“一物多価”というものがある。一つの商品に価格がたくさんあるという意味。同じ商品を同じ個数売っても、お客様によって価格が変わるというのがBtoB取引。逆にメーカーであっても直接小売をしている場合は、“一物一価”といって、基本の値段は誰に売ろうと同じ。そのような場合は、営業社員は必要ない(販売員は必要となるが)。このコントロールができるというところに営業のツボがある。

私は、営業の本質を以下のように定義している。
①自社商品の販売を通して
②お客様に貢献し、
③営業としての最高のパフォーマンスを出す。
④そのために与えられた条件を上手に活かすのが営業職である。

まず、①“自社商品の販売を通して”は、当たり前のことをあえて書いている。業績のよろしくない会社の営業社員にヒアリングすると必ず聞かれる言葉が「自社の商品が悪い。競合のような商品を自社も開発すべき」などである。これなどは論外。自社商品を通してでしかお客様に貢献できないのに、その基本を忘れている人がなんと多いことか。

製造や開発部門に営業として意見はいうが、批判はしてはならない。また、仕入れ商品がよく売れるからといって自分の営業実績だけのために、販売する人もいる。これもよくない。自社商品を売るためにどうしても必要で他社商品を売るのはいいが、そうでなければ、その時はよくても、必ず大きなしっぺ返しをくらうこととなる。

次に②“お客様に貢献し”である。営業は、自社商品の販売を通してのみお客様に貢献できるのだが、お客様に貢献しようとすると、お客様のニーズをしっかり把握しなければならない。同じ商品を欲しているからといって、全員が同じニーズではないことを営業は認識すべきである。ここを勘違いしている営業は、結局、値段でしか商品を販売することができない。例えば、メーカーが小売業に商品販売をする場合の小売業側からのニーズを考えてみよう。

・とにかく安く販売したい      
・安いがいいものを販売したい
・少々高くてもいいものを販売したい 
・品揃えをしたい
・店頭の商品フォローをしっかりしてほしい(効率化)
・地域にないものをおきたい     
・自社のPBを開発したい、商品開発をしたい
などなど、少し考えてもたくさんでてくるだろう。

これらを考えずに、営業にいくとお客様とは、値段の話にしかならない。真にお客様に自社商品を通して貢献しようとすれば、必ず、真剣に相手のニーズを探るべきであり、そこにフォーカスしなければならない。

そして③“営業としての最高のパフォーマンスを出す”。最高のパフォーマンスとは、会社やその営業がおかれている状況によって変わるであろう。例えば、利益を重視しているのか、売上を重視しているのか、とにかく新規開拓を重視しているのか、等など。しかし、どちらにしても営業は“最高のパフォーマンス”にこだわり続けるべきである。なぜならそれが営業だからである。

最後に④“そのために与えられた条件を上手に活かすのが営業職である”。営業に与えられている条件は実はたくさんある。自社の商品ライン、商品に付随するサービス、価格、納期、返品、ロット、欠品対応、情報提供、店頭フォローや販促協力などの先方への協力、など、相手のニーズに合わせてコントロールできる内容はたくさんある。それを最大限に活かして、相手のニーズに応え、貢献することである。

この営業の本質を理解している人が最高のパフォーマンスを出す俗にいうトップ営業社員となる。

菅原 祥公
株式会社船井総合研究所 執行役員 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け講演/デューデリジェンス
どのような企業にも必ず“存在意義”があり、常に“長所を核とした成長の 種”はある】をモットーに、企業の三宝である「理念やトップのビジョン・戦 略」、「マーケティング」、「人・組織・マネジメント」そしてその結果としての 「財務」といった各要素を多角的に判断し、事業全体のデザインを再構築し ていくことをテーマにコンサルティング活動している。株式公開をはじめ、 事業再生や事業承継がからんだ事業計画立案、M&A案件にも多く関わっ ており、現在、船井総研の経営戦略コンサルティング部門を統括している。 ○主な著書 「最新ビジネスデューデリジェンスがよーく分かる本」 秀和システム刊 「図解入門ビジネス 最新中期経営計画の基本がよーくわかる本」 秀和システム刊 「経営の極意」 総合法令 刊(船井総研社員との共著)などがある