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国内GDPが30年伸びない日本国内で、伸び続ける企業はここが違う

【30年伸びていない日本で、なぜか伸び続けている企業の研究】

売上規模や社員数の多さだけが企業の良し悪しの判断軸ではありません。

私どもは「良い会社(組織)であり続け、世の中に良いことをし続けている会社には人(社員、顧客)が集まり続ける」と考えています。

市場が伸びないばかりか、就労人口が減り、採用難の時流が続く中でも「組織のカベ」を超えて、100名超え、300名超え、1000名に近づける企業は何が違うのか?を研究、整理し、お伝えしております。

成長が横ばいになるA社に何が足りないのか?、伸び続けるB社に何があるのか?

以下に、そのポイントを整理させていただきます。

①伸びが止まるA社と、カベ知らずで伸びるB社
どんな戦略がすごくても人(社員)のノリが悪いと何も進まない

企業のステージに合わせて「戦略的展開パフォーマンス」と「人材適応パフォーマンス」が

企業が持続的成長を続けるためには、「戦略的展開パフォーマンス」が適切であることは大前提です。ただ、それだけでは社員が増えてくると難しくなります。まして、この人不足時代には人が集まりません、どんなにスゴイ採用手法を取り入れても。

まずは「100名のカベ」を超えられないA社の状態です。

社員50名ぐらいまでは、社長1名で引っ張っていけます。また、社長1名のトップダウンで社員100名超えぐらいまでは表面的に業績は伸ばせますが、社員が心のノリ(人材適応パフォーマンス)が悪いといずれ伸びはいずれ鈍化します。

その一方で「100名のカベ」をものともせずに、人も集まり続けて、持続的成長を遂げているB社の状態です。

社員数50名を超えてからも「戦略的展開パフォーマンス」に呼応する形で「人材適応パフォーマンス(社員のノリ)」が伸び続けています。
B社は、金銭的な報酬や、評価による昇進・昇格によるモチベーションよりも、ここの会社での仕事に楽しみ、やりがい、この会社の仕事を続けることに未来を感じている社員が多い状態です。

②ルール・規則は人の心を縛る

A社とB社の組織内での雰囲気、カルチャーを整理します。

B社は、この会社で働く目的の真因(内発的動機)を自分事にできているメンバーが多いため、たとえ、業務量が増えても、タスクに追われても「なぜか、明るく忙しい」カルチャーが定着します。(※その他の項目ついても上図表をご覧いただき、ご整理いただければと存じます)

A社は、ルール、規則、評価制度を中心にマネジメントしようとしています。一方、B社は、理念、価値観を中心にマネジメントしようとしています。

決して、企業にとって、ルール、規則、評価制度が不必要と申し上げているのではなく、ある程度は必要です。ですが、B社はルール、規則は補助的なもので、最低限なものに留めていらっしゃいます。

B社は、過度なルール、規則は、人の心を縛り、現場でのフレキシブル(柔軟な)、自律的な対応を阻害することを熟知しています。
ルール、規則に書いてあることは守るが、そこに書いていないことはしなくていい、というように、人はルールに縛られると思考判断がストップしたり、利己的になりやすくなります。

ルールを守らないと、評価者(社長、上司)に評価されない、と評価者の顔色を必要以上に気にする状態は中長期的に見て成果に悪影響を及ぼすことをB社は熟知して、それを避けようとしています。

では、そのために何が必要なのか、ということになりますが、
先ほど少し触れましたが、B社は、社員数50名超えたあたりから、「理念・価値観マネジメント」を重視、着手しています。
「理念・価値観マネジメント」とは、端的に表現しますと、自分たちの1番のボス(偉い人)を自社の理念、パーバス、PMVVに置くマネジメントです。

理念・パーパス・PMVVは、それを守らなければ給料が下がったり、昇格ができなかったりするルール、規則ではなく、自分たちの日々の活動における自律的な行動・判断軸です。

A社とB社の理念・パーパス・PMVVの社内の建付けの違いを整理しますが、

A社は、理念やパーパスを掲げながらも、現場の実際の感覚は「社長=理念」になっているカルチャーです。話しの中身よりも“誰が(社長、上司)”言っているかを気にするカルチャーです。

一方で、B社は、社長、上司を含めて、社員全員がフラットに理念やパーパス、PMVVを1番のBOSS、最上位の判断基準にして、自分たちの日々の活動を自律的に確認、判断していくカルチャーです。

B社は、(無意識的な場合も含めて)社員100名手前or前後のステージでこうしたマネジメントを重視、展開していらっしゃいます。

そして、「理念・価値観マネジメント」の要諦は端的に申し上げますと、以下の3点だと考えています。

❶理念・パーパス・PMVVが分かりやすくつながっていて、ストーリーになっている
~そして、実際の戦略、実践事項もつながるストーリーを意識して腹落ちさせようとしている

(そうしないと理念が単なるきれいごと、置き去りになります。ついつい起こりがちです)

❷「理念・パーパス・PMVVが社内で1番偉い」という建付けをオープンに宣言している
~社長・幹部自らが率先垂範する姿勢を明確にしている。みんな一緒に垂範しようというスタンスが明確になっている。

理念が浸透しているかどうかは、実は、浸透させられる側よりも浸透させる側(経営者、経営、部長陣)に問題があることが圧倒的に多いです。

❸理念・パーパス・PMVVについて“自分事”で考える時間を社内で一定時間確保している
~通常の会議、mtgは業績管理、タスク管理、PDCAの時間が中心ですが、そことは一線を画して時間を確保している。

「理念・価値観マネジメント」は一歩間違えると、“似て非なるもの”になりがちな側面もあります(例:理念の単純な暗記、復唱だけの取り組み・・・etc)。

このマネジメントの取り組みを正しい適切なタミングで、正しいアプローチで、粘り強く行うことが低成長時代でも持続的成長を続ける中堅企業には必要不可欠ではあると考えております。

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そして、最後にお伝えしたいことは、

価値観マネジメントを実践している企業は、その価値観を社外に発信(アウターブランディング)することで採用(吸引)力が劇的に高まり、人(社員)が集まる、ということです。

それは、人を「待遇、条件」ではなく、「価値観」でひきつけているからです。「あそこで働きたい」という共感する人が増えるからです。

採用についての手法論、技術論の問題ではなく、それを超越した部分での話です。

ぜひ、低成長時代でも持続的成長を続ける企業づくりの一つとして、皆さまの企業内での「理念・価値観マネジメント」についての現状のご整理、ご検討をしていただければ、と思います。

本コラムでお伝えした「理念・価値観マジメント」をすばらしい形で取り組まれている企業をゲストにお迎えしたセミナーが6月26日(木)、7月2日(水)、8日(火)にございます。

わずか創業16年で24拠点、総スタッフ数533名までに成長をされている、医療法人社団・悠飛会の佐々木理事長様をゲストにお迎えいたしました。

2020年度の弊社のグレートカンパニーアワード大賞受賞もされている企業様でもあります。(現在はサステナグロースカンパニーアワードへ名称変更)

独立色、専門職の強い医療業界でありながら、自社の理念・価値観に基づいたマネジメントで、24拠点の責任者に、自由にのびのびとした自由裁量に任せる集団運営体制を敷き、総勢533名になるチーム(まだまだ成長途上)を持続的成長できる組織にされていらっしゃいます。

人をマネジメントするという要素は業種・業界問わず共通しております。本セミナーは大きな刺激と学びを得られると自信を持ってオススメいたします。

ご多忙かど存じますが、オンラインセミナーですので皆様の会社内、ご自宅から受講ができます。ぜひ、ぜひご参加くださいませ。
セミナー詳細・申込はこちらから

土居 靖
コンサルタント
船井総研入社後は、中堅・大手企業のPMVV(理念・ミッション・ビジョン・バリュー)の策定・浸透、経営ビジョンや中期事業計画の策定に従事。主な経験業種は住宅不動産・モビリティ・介護・食品等多岐に渡り、中堅企業化において、多様化する課題解決を行う。 現在は、主に中堅企業の成長のための経営者サポートのための支援・プロジェクト・研究会の推進に努める。