営業における旧来のルール(=常識)を考えてみましょう。例えば、「いい商品を作っていれば、必ず売れる」というものや、「販売強化には、個々人の営業能力向上が必要不可欠」「素人に営業はできない、営業プロ信奉論」「欠員補充は経験値を持っている中途社員が必要」などです。これらについて、考えていきましょう。
まず、営業に関していえば、個々人の能力に頼らない仕組みづくりが必要です。旧来のルールですと、“売る”力の強い会社というのは営業力が強いと思われがちですが、そういう会社ほど、個人の営業力に頼っています。この場合のリスクは高く、その営業社員が辞めると顧客も引き連れて移籍する、独立するということはよく起こります。
逆に、“売れる”会社というのは、営業としての機能を分解し、それぞれごとに重要なファクターの明確化し、その上で業務見直しをしている会社です。このような会社は、“個の力”に依存しすぎずに、業績好調の場合が多いものです。
そこで、営業のルール・チェンジとはどういうことかを解説します。まず、営業の一連の流れを分解して考えてみましょう。
営業は、大きく上記の4つに分解し、これまでの常識(=ルール)を変更して、“売れてしまう会社”に変わることが可能です。ここでは、このコツとポイントを解説していきます。
●商品における新ルール
メーカーや卸の経営者の方々によくお伝えしている、新しいルールがあります。「いい商品が売れるのではなく、売れる商品がいい商品」これをいうと、大抵の方はムッとされます。しかし、売れる商品とは、まず、ターゲット顧客への認知が何よりも重要です。
その上で多くのお客様に商品を試してもらうことです。そうすることにより、商品に対する市場の声が沢山集まり、商品改良もすすみます。さらに販売量が増えることにより、コストも下げることができます。つまり、最初からすばらしい商品というのは少なく、売れることにより、本当にいい商品になっていくという意味です。