先日リクルートとPontaのポイント統合が発表されました。
共通ポイント自体の動向や趨勢は、すでに様々な媒体で解説されていますので、そちらに論を譲るとして、
今回の記事では、その共通ポイントの動向のなかで出てきたYahoo!トラベルによる宿泊予約サイトの新たな収益モデルへの挑戦についてご紹介したいと思います。
さてそのYahoo!トラベルですが、まずは皆様、Yahoo!トラベル自体はご存知でしょうか?
勿論その名のとおり、国内最大級のポータルサイト「Yahoo!」内の宿泊・旅行商品の予約サイトですが、
もしかするとあまり利用したことは少ないかもしれません。
実は当サイトはJTBの「るるぶトラベル」のアフィリエイトサイトとして運営されており、
全国の旅館・ホテルとは直接契約が存在せずに、Yahoo!トラベルより予約が入った場合はJTBから施設へ送客手数料を請求し、
JTBの受け取りマージンの一部が、Yahoo!トラベルへ分配される仕組みとなっています。
そこで今回のリニューアルです。
今回のリニューアルでは、ついにYahoo!トラベルが直接、施設と契約し、
さらに目玉として、他の宿泊予約サイトでは、当該サイトからの予約に応じて発生するマージンを無料にしました。
その代わり、利用者へのポイント付与として5%(他サイトでは通常1%)を下限とし、また付与ポイントはTポイントを採用しています。
(だいぶ後発の)Yahoo!トラベルとしては、利用者にメリットのあるサイトを作ることで、PVを稼ぎ、広告収入を得たいという考えのようです。
これで宿泊業界にも共通ポイントのTトラベル(一応、Tトラベルというサイトはありましたが……)、
そしてリクルートとの統合によりPonta、そして楽天スーパーポイントと主要陣営が出揃ったことになります。
すでに先行2サイトでは、国内市場の頭打ち感から、手数料率の引き上げが画策され、施設側の警戒を受けるなか、
新たな収益モデルを打ち出したYahoo!トラベルが新たな選択肢となりうるのか?は今後の宿泊業界の動向に大きく影響を与えるかもしれません。
本稿をお読みいただいた経営幹部の皆様も、自社の強みを理解し、収益モデルの改革にまで挑戦することで、現状を打破する一手になりうるかもしれません。