“神は細部にやどる”という言葉を聞いたことがありませんか?
以下は、とある魚河岸(魚卸)の社長との話です。その会社は、ある有名な漁場にある市場(東京の築地市場などが有名ですが、築地などは、全国の漁場近くの市場から品が送られてくる)で、取引高が長年トップに君臨する企業様です。その社長に、「なぜ、御社は長年、取引高トップを維持できているのですか?」という質問をさせていただきました。その答えが以下のような内容でした。
『セリが始まる前に、各有力市場の情報を頭にインプットしてから、セリに望む。それでも、負けもあれば、勝ちもある。しかし、これは、皆がやっていることであり、特別でも何でもない。うちが従業員に最も気をつけろといっていることがある。それは、セリで買い取った商品の梱包。
例えば、イカがあったとする。イカの足がきれいに揃って箱詰めされているものと、そうでないものがあったら、同じような商品でもきれいに揃っている方が喜ばれる。(味は変わらないんだけどね。)また、1日に魚を数百・数千とパックにつめるが、その時、箱ごとの重さを極力そろえるということも徹底させている。お客様よりある魚、100kgの注文が入っていたとする。
これを10箱につめると、1箱平均10kg。総量は100kgなので、極論言うと15kgの箱と、5kgの箱があってもいいよね。でも、うちは、1箱あたりの誤差を極力なくし、1箱10kgに近づける。お客様の立場になると、10箱の各重さがバラバラだと使いにくいし、本当に全部で100kgあるのか、不信にも思うよね。こういう細かいことを徹底させているだけだよ。』
一見すると、ほんとうに些細なことかもしれません。しかし、“こんな些細な部分”を徹底できるかどうかが一番企業とそうでない企業の差です。だから、ビジネスは面白い!