再生途上にあるある企業での会議でのこと。
この企業における今期の目標は、半期を終わって、目標対比80%と大きく未達。理由は、メイン企業からの受注金額がダウンし、それがそのままの実績になった結果。
当然、下半期はそのリカバーに入り、より仕事獲得が必要。この企業の繁忙期は、年末から3月にかけて需要が最大化する。つまり、この下半期にしっかり受注できれば、十分に上半期の分も取り返すことができる。
上記状態のなかでの下半期の対策を各部長から出してもらっていた。その一つに新しい顧客開拓の仕掛けの施策を、一旦、延期したいとの意見が出てきた。理由をきくと、下半期は非常に忙しく、特に1~3月までは新規受注どころでない。既存を優先させたいという。そこで閑散期に入ったら、また、新規開拓の受注を再開しようというもの。
これは、一見、正しい意見のように思われる。繁忙期には、しっかり既存対応を強化し、売上を確保する。そして、閑散期に新規開拓を行い、底上げを行う。
しかし、船井総研では、真逆のことを提案する。無理をしてでもピークの売上を伸ばさない限り、ボトム(閑散期)の売上を上げることは難しい。
この理論はいたって簡単である。その企業のピークの時というのは、その企業が提供している商品なりサービスなりが、最も顧客が欲している時期である。逆に言うと閑散期は、欲していないということ。そのような時期にどのような営業活動しても、顧客の反応は鈍くなるのは当然である。それよりも、顧客が活発な繁忙期に仕掛けをして、取引をすれば、閑散期でも仕事をくれるようになる。つまり、ピーク時の売上を上げる結果としてボトムをアップすることになるというもの。
そこで、外注をつかって利益率が下がってもいいので、ピーク時の仕掛けを徹底しようということになった。
活性化において、重要なことは、まず伸びているところに目をむけ、そこを伸ばしきることにある。