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顧客獲得コストゼロ、顧客継続率96%! 全てのビジネスに使える集客の極意「新・家元制度」

多くの企業、経営者が頭を悩ませている、「顧客の獲得」と「顧客の継続率」。積極的な営業活動や多くの販促費を費やしても、なかなか目立った成果をあげることは難しい。そういった中、1つのビジネスモデルが注目を集めている。それが「新・家元制度」。このビジネスモデルは、現在の事業の中に、教育事業を採り入れることで、限りなく少ない顧客獲得コストで、高い顧客継続率を可能にするという。その「新・家元制度」という魅力的なビジネスモデルの提唱者である、前田出氏にこのビジネスモデルの真髄を伺った。
(聞き手/小林昇太郎、撮影/蛭間勇介)

■ 「好き」を仕事にするインストラクターを3万1000名育成

――前田さんはラジオ番組でパーソナリティをされていたり女性起業支援をされていたりと精力的な活動をされていますね。

そうですね、どちらも新しいビジネスに着目した取り組みなんですが、ラジオではいま「0から1を生む力」という番組でその名の通り0から1(無から有)を創り出し、日本を元気にしようと活躍している人を毎回ゲストにお迎えしてお話を伺っています。女性起業支援というのは『楽習フォーラム』といって「好きを仕事にしよう!」をテーマに開講された団体です。いままでにビーズ、キルト、押し花といったホビークラフトの分野で活躍する女性インストラクター(先生)を9年間で3万1000名育成しています。

――自分の力で何か始めたいという人たちのバックアップをされているのですね。

そうです。そして楽習フォーラムで作ったビジネスモデルを他の業態にも展開し始めました。それがいま取り組んでいる「新・家元制度」です。

――なるほど、そのような「新・家元制度」の成り立ちがあったのですね。では、この「新・家元制度」についてもう少し詳しくお話を聞かせてください。

僕はこの「新・家元制度」を使って2015年までに200協会作りたいという思いでやっています。いままで楽習フォーラムでは、ホビークラフト関連で20種類の認定講座を作ったんです。その他に、僕が関係している協会は30くらいですね。僕が「新・家元制度」をやっている目的は2つあって、まず1つ目は起業家育成。2つ目は業界の中でナンバー1の人間をつくり、その業界を刷新していく。このインストラクター事業というのは、自分のビジネスの中に教育を取り入れることでストックも資本もほとんどかけずに起業ができる。10年とか20年、自分でビジネスをしてきた人がノウハウをカリキュラム化して世に送り出す。そうすることで業界のカリスマといわれるような人を育成していき、業界は新しく生まれ変わる。そういうビジネスモデルです。

■ 「新・家元制度」を始める3つの手順

――確かに、私たちの富裕層ビジネス研究会の中にも各々の分野で知識や経験を持っている方たちが沢山おられ、自分達の知識や技術などを社会に告知していきたい、良いビジネスモデルにしたいという声は多く伺っています。そういった方たちがこの「新・家元制度」を始めてみたいといった場合はどのような手順を踏めばよいのでしょうか。

手順はいくつかあります。例えば、2008年12月に公益法人制度が変わったんですが、それまでは非営利団体というのはNPOしか作れなかったんです。でも今回僕が提言しているのは、一般社団法人か一般財団法人と言った非営利団体を作ることによって自社の儲けのためだけじゃなくその業界を育成する、インストラクター事業を作るということができます。

インストラクター事業構築手順のまず1番目は「器を作る」ということ。「器」というのは株式会社ではなく、非営利の「協会」を作るということが大事になってきます。

2番目は、その「器」自体をブランド化し、「冠」を作るということです。講座を作って受講してもらい、ただそれを勉強してもらうというだけではなくて認定を与えて、さらにその講座を広めてくれる先生を育成します。協会自体の価値を高めてどうブランド化していくかというのが重要なポイントです。同じ認定されている資格でも信頼性が違います。業界での著名人が理事であったり、信頼性の高いカリキュラムを作成したり。これは非常に時間が掛かるし、他の団体が真似できないことです。

3番目は、その質を標準化するということです。いままでの自分の知識やノウハウ、教材などをまとめたものを誰でも使えるようにしていかなければいけない。一般にセミナーをする人は独自のコンテンツを持っている。でも、コンテンツというのは自分の中のノウハウだけで終わってしまうので、他の人には浸透しにくいですよね。それをカリキュラムに落として教材にしていくんです。

「新・家元制度」のインストラクター事業ができるかどうかはこの3つの手順をどう作り上げるかというのがポイントですね。いま僕はこの3つの手順を中心に講座を教えています。

――「講座を始めるための講座」という感じでしょうか。

そうですね。いまは2日間で10時間の講座を開いていて、それがDVDになりました。ですから、僕の本を読んで興味を持ってくれた方がDVDも併せて見てくれたら、さきほどお話しした3つの手順は理解していただけると思います。

■ 多くのビジネスで活用できる「新・家元制度」

――まず始める第一歩はそれをしっかりと押さえるということですね。いままでに「新・家元制度」を取り入れてビジネスを始められている方の中で具体的な事例などがあるかと思うんですが、代表的なものをいくつか教えていただけますか。

(財)日本余暇文化振興会(所管:文部科学省)の監修・認定でつくっている認定講座が、10協会あります。一番多く先生を輩出しているのは「食育」と呼ばれる、健康・食育マスター講座で、1000人以上ですね。具体的な例として、全国200店舗ある定食屋の大戸屋さんの各店長はこの資格を持っています。いまは企業内でこの食育セミナーを全国約60ヵ所で行っていて、食育協会の柏原幸代理事長が各地で自ら講演をしています。

もう1人は、育児セラピストの廣島大三さん。育児休暇を取って、そのまま起業した男性なんですが、幼稚園の園長、大学の准教授が受講して、評判になり、ある大学のプログラムとして採用されました。自分で一般財団法人を設立して、監修・認定も自分の財団で行っているのは、大家検定の浦田健さん。いま全国に支部が50くらいでき、去年、1000名ほどの受講生がありました。大家さんだけでなく、ハウスメーカー、税理士も受験するようになって、業界のレベルを上げ、標準化に貢献しています。

■ ある日突然、「主婦」が「先生」に!

15年前に、押し花の先生育成から始めたんですが、50歳代の専業主婦の方が多く、あまり働いた経験がない。そういった方たちが認定を取って、先生と呼ばれていくうちに、服装が変わり、態度が変わり、交流する人が変わってくる。先生になることによって、地元のラジオ番組でパーソナリティをはじめたり、新聞でコラムを執筆するようになったり、学校でPTAの会長さんになったりと、積極的に活動するようになりました。いままでいたコミュニティの中では母親という存在でしかなかったのが、先生になることで、地域でのポジションができ、エリアが広がりラジオや新聞にまで出てコメントを求められるような存在になる。先生と呼ばれることで周りの人間からの信頼度がガラリと変わるんですよね。

さらに、それを商売として、販売する仕事をしても、ノウハウを活かすビジネスだから在庫を持つ必要もないし、資本金もほとんどかからない。

ですから押し花教室の先生から、結婚式のブーケを押し花額にする仕事を作り出し、年商1億という起業家が出てくる。ホテルとかお花屋さんと提携してどんどん広がってきて…旦那さんが会社を辞めて仕事を手伝うなんていうケースもありますよね。

――なるほど、普通の人の個性を引き出して活かすという素晴らしい取り組みですね。実際に普通の主婦だった方が先生の認定を受けて、じゃあ教室を始めようといった時に、いろいろなケースがあると思いますが、代表的なものとしてどのように生徒さんたちを集めてくるんでしょうか?

はじめは自宅の小さい空間から始まるんです。手芸のいいところはその日に教室で作った指輪だとかネックレスを持ち帰って、それを実際に主婦仲間に見せて話すことができるんですよね。それが主婦の口コミのすごいところで、男性だったらそうはいかない。男性は教室に通っていても、それを完全にマスターしてからじゃないと周りの人間に話そうとしないんですよ。その点、主婦はいいと思ったものはすぐに周りに話して共有しようとする。口コミ率で言えば男性と女性は比にならないくらいです。

男性は集客しようと思ったら、まずはホームページやチラシをしっかりと作り込まなければいけないとか、ああしなきゃこうしなきゃというのが出てくるんですが、女性は親しい人に教えてあげようとかプレゼントしようという考えがあります。ホームページやチラシなどの販促は口コミの次にくるものなんですよね。

――男性と女性で集客の仕掛け方が全然違ってくるんですね。

そうですね。集客できたのはいいけど、受講する側の人にもただ単に趣味で勉強するんじゃなくて、認定を受けて先生として教えられるようになってほしいということを伝えるのも重要です。ですから初回で、講座を受講するには例えば10万円必要で、認定料は3万円ですという説明をします。すべて修了し、認定を取ったら私と同じような教室が持てますよ、ということをしっかり伝えます。もちろん講座を受けるだけでもいいんですが、いままでの実績でいうと8割の方は認定を受けています。

■ 地域の活性化・充実した第二の人生に貢献する

――認定を受けて自分の教室を持てるようになるのか、それとも趣味のままにするのかというのは個々の自由ということですね。ここまで、個人の方が教室を開いている事例を聞かせていただきましたが、企業でインストラクター事業を行っているモデルがあればお聞かせください。

例えばパン屋さんが「おいしいパンの作り方講座」を開く。今までのノウハウをカリキュラムにして、きちんと教えられる仕組みを作る。そして周辺の主婦の人たちに受講してもらうことで、その方たちにパン屋のファンになってもらう。認定を取って先生になるまで行かなくても、人に教えられるレベルになることで受講者にも自信を持ってもらえるし、そのパン屋さんの口コミは広がる。そうしたら間違いなくパン屋さんは地域で一番の存在になれます。受講生や先生が販売、広報拠点となってくれる。これはすごいことだと思いますよ。

――なるほど、企業にとっても有力な営業戦略になりますね。主婦の方にとってもただ趣味でというだけではなくて先生と呼ばれることで「私は働いています」と自信を持ってみんなに話せるし、地元の人たちにも認められ、さらに活動することで地域が活性化されていきますね。

主婦だけじゃなくシニアの方も可能です。例えば、40年間会社で経理をやってきたという方がいるとします。会社にいるときは部長という肩書きがあったけど、定年退職になって、一番悔しいのは、名刺を出せないこと。肩書きがなくなるのは本当に寂しいものです。その人が、例えば、経験を活かし、私達のマネーマネジメント講座の認定講師になったら、それまで培ってきた能力をまた活かせるわけです。

久しぶりに会った部下に「いま何をやっているんですか?」と聞かれて、「公益財団法人の認定講師をやっています。毎日楽しいよ」と自信を持って答える。自分で教室を持って先生と呼ばれて主婦や子どもに囲まれて暮らすって、すごく幸せなことだと思います。

――第二の人生を輝かしいものにしていくという意味でも社会的に必要な試みですね。

そうですね。「新・家元制度」の対象はまずは女性。そしてシニア。その次にビジネスマン。本当に起業してB to Bのビジネスにしようと思っているようなビジネスマンです。企業内でセミナーができるとか、先生として専門分野のコンサルティングができる方ですね。

■ B to Bで他社との差別化にも有効な「新・家元制度」

――B to Bをされている方の具体例があれば教えてください。

「行動科学マネジメント」を行っている石田淳さんですね。ベストセラー作家でもある石田さんは行動科学を企業に取り入れて業績を上げるというカリキュラムをつくって、マネージャー養成講座をやっています。男性の場合だとやはりある程度大きい額のお金がないと動きにくいので、このように企業を相手にできるような人材を育成することが大切です。

また、食育は今とても裾野が広がっていて、もともとは管理栄養士さんを先生にする講座だったのですが、保育士さんが受講して先生になり、今度はその保育士さんが自分の保育園で、子どもや母親たちに食育を教えてあげる。保育園にとっては、うちの園には食育のマスターが何人いますよという風にパンフレットに書いてアピールすることで、他の保育園と差別化が出来る。先生を作るという少ない投資で得るキラーコンテンツは大きいと思います。

――なるほど、ますます質の高いカリキュラムづくりと信頼できる冠づくりがこの「新・家元制度」で重要な役割になりますね。

そうです。さきほどお話したビーズとか押し花といったテクニックに関連するテーマで作品を作る講座であれば、まず簡単なテクニックのものから始まり、講座を重ねるごとに徐々に難易度が高くなっていく。毎回、作品を作るので、自分の成長がわかるし、先生もスキルがあれば良い。でも、マーケティングとかマネー講座といったものは目に見えない知識なので、先生の人柄や、教え方で質が変わります。「教え方を教える」「伝わる伝え方を教える」コレが一番難しいけど、それを作業分析して誰にでも教えやすいようにカリキュラムに落とすのが僕たちの役割です。

悪い言い方をしたら内容はどうであれ、本を出版することは誰でもできる。装丁が良くて、有名な人の推薦があって、目次が興味惹かれるものなら、値段が1500円くらいだったら買ってみようとなります。でも、教室を持つ以上は本当に良い内容でなければ誰も買いません。

■ 今後、展開の幅を広げる「新・家元制度」

――講座をする側も受ける側もホンモノでないといけないということですね。今後の新・家元制度の取り組みとして、前田さんが注目している業種やテーマなどがあれば教えてください。

葬儀事業をされている企業と一緒に、エンディングノートをつくって財産管理、心理面でのケアをするプログラムを作れないかと話をしています。エンディングノートを作ることにより、自分の最後を考える。自分だけではなく、残していく大切な家族のことを考える機会を作る。お金がある人にとっての関心は遺産相続をどうするかということです。でも、初めから遺言状を書くことには抵抗がある。それで、エンディングノート作成で過去を遡りながら書き上げていく。その結果、自分と家族をしっかりと考え始める。

――それは興味深いですね。具体的にどのように進めていくのですか?

例えば、昭和40年に自分は中学何年生でその時の流行歌は何だったとかいろいろと振り返ってもらうんです。自分の過去ノートをつくることで「現在の自分はどんなにたくさんの人にお世話になったか?」を思い出す。そして、自分が亡くなった時には持っている財産をどう分配しようかと、自分自身と向き合うわけですね。人生の棚卸し。楽しんでお金を使わないと、死ぬときに銀行残高が最高なんてことになりますからね(笑)。仮に自分は85才で死ぬと設定して、いまの生活と照らし合わせ、家族にいくら遺したいからこういう生活スタイルにしようと逆算するんです。

――過去を振り返ってその延長線上にある将来の自分を想像する。おもしろいですね。

そういうことを指導できるインストラクターを育てることによって、そのバックエンドビジネスがすごく広がります。信託銀行や墓地、保険とか、見えてくるビジネスはたくさんあります。

――確かに、弁護士とか税理士とかもこの取り組みに関わることで自分の本来のビジネスへ引き込むことも可能になりますね。

弁護士とか税理士は、この2年間くらい消費者金融の過払いで稼げました。でもこのバブルが終わって、次のターゲットはシニアです。シニアの財産管理をやりたいけど、どうシニアにアプローチしたら良いのかわからない。その手段に成り得るのがさっきのエンディングノートです。

――社会的にも意義があることですし、販促だとか営業戦略といったうわべのものではなく、ビジネスの本質を捉えたアプローチ方法ですね。多くの切り口からの収益モデルも構築されるでしょうね。

■ 富裕層な顧客獲得にも有効な「新・家元制度」

例えば、富裕層のコミュニティ獲得を考えた場合だと、さきほどお話ししたバックエンド商品のあるインストラクター事業の組み合わせでシニア層を狙うとか富裕層を狙うことができると思います。その人たちがいったい何で困っているのかを考えながら、ビジネスモデルを考えていくわけです。

通常、顧客獲得にはコストも時間も掛かりますが、インストラクター事業は顧客創造が簡単にできます。ネットで1万人の名簿を集めても、有効な名簿はほとんどない。しかし、インストラクター事業で100名の先生を作り、その先生がきちんと顔の見える受講生(顧客)を作り出す。このネットワークの構築は固い絆の組織を作り上げていきます。先生と生徒の関係はビジネスでも継続した関係を作り出します。

――これからは孤軍奮闘するのではなくうまく周りと連携して一緒にバックエンド商品を創り上げるというのが理想的ですね。

富裕層を顧客にしたいと思ったら、まず考えるべきことは彼らが一番何に困っているのかを深堀すること。節税なら、いろんなやり方が考えられますが、例えば節税に関するプロのインストラクターを作ってあげる。これからのキーワードは資産を「増やす」よりも「減らさない」「守る」です。資産防衛のプロは必ず求められます。その上で、「増やす」という選択肢を増やしてあげることが重要です。

富裕層の人は保守的です。安全で信頼性のあるコミュニティをまず、作らないと、「先生」だけを作っても上手く行きません。この富裕層ビジネス研究会を基盤にして、信頼性のあるコミュニティの構築が必要ですね。

――まさに信頼関係が築き上げるビジネスモデルですね。これからもこの「新・家元制度」を取り入れて業界をより良いものにし、元気な個人、企業、団体が多く創出される事を願います。