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セールスプロセス改善:PRが先、刈り取りは後![マーケティング戦略・営業戦略]

(THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役 伊藤 達夫)

集客というのは、どの会社にとっても悩ましいことですね。集客ができてできてしょうがない、という会社も見たことがありますが、すごいリソースを投下しています。

ただ、取り扱う商材にもよりますが、いきなり集客をしよう、刈り取ろうと思ってもできません。PRが先立って必要なのです。

Webページ、メールマガジンを使った集客でも、ダイレクトメールを使った集客でも、なんでもいいのですが、いきなり刈り取ろう、いきなり契約してもらおうと思っても無理です。

そりゃ、緊急性の高い商材なら別ですよ。いきなり買います。火事が起きている家の人は、消火器があればいきなり買うでしょう。それはそれでいいのです。

ただ、そこまで緊急度の高くない商材は、いきなりは買わないのです。広告宣伝文があったとして、買いません。その相手が信用できるかどうか、Webなどで調べてしまいますよね。普段から接していれば別ですよ。

そう、広告宣伝をして、効果を上げるためには日ごろのPRが必要なのです。

メールマガジンを毎日書いて送る。
ブログを毎日更新する。
小冊子を書いて、配る。
ニュースレターを送る。

こういう、PR活動を仕込み続けているから、刈り取りができるのです。

ブランディングというかっこいい言葉でやっていることは、普段からイメージ、世界観を作っておくことです。

世界観を約束しておくことです。PRするときに、その世界観の統一は必要ですよ。別に、機能的な約束をする必要なんてありませんが、その企業、商材から匂ってくるものを統一することだけは必要です。

その世界観の共有を約束することをずっと続けます。そうすると、刈り取ろうとする時は、すごく楽です。理想としては、機能的な約束をほぼしないで、世界観の共有とほんの少しだけ機能的な約束をすることで売れることです。

そうすると、クレームもほぼない。期待品質を下げているから、満足度が高まるというビジネスができますね。
メディアによってもいろいろと特性があります。

FAXDMの文章で、いきなり購買意思決定をすることはほぼありません。FAXDMは無料での資料請求などに使ったり、リレーションを深めるためのニュースレターを送り続けたりということに使います。FAXDMで有料セミナーの申込を募っても、申込者はほとんどいないでしょうね。

メールマガジンでも買うことは買うのですが、リレーションを構築するための文章は必ず必要です。メールマガジンで関係を構築、維持することをずっとやっておくとすごく楽です。自動的に送れますからね。そうすると、定期的に刈り取りのためのセールス的なメールマガジンを出した時の効果が高まるのです。

PRと広告宣伝はそういうものです。

ただ、テレビ媒体は、いきなり刈り取りができるパワフルなメディアです。ユーキャンは基本的には、テレビでは刈り取りのメッセージを出していますよね。当然、しっかりしたプロセスは組んでいると思いますが。

ただ、テレビ媒体を使って、無料お試しセットにフォーカスしているドモホルンリンクルはすごいですよね。

東京ドームクラスの広さを持つコールセンターにひっきりなしに電話がかかってくるそうです。刈り取れるのに、刈り取らない。こういうことができるところは強いですよね。
ビジネスではキャッシュが回ることが必要なので、いきなりの刈り取りをしないと食べていけない会社もあるでしょう。もやしを育てて、1週間で食べる、といったことも必要なこともあって、それはそれでしょうがないです。

ただね、桃栗3年柿8年と言うように、3年で利益何%の回収を見込んだPRの考え方とか、8年で利益何%の回収を見込んだ考え方とか、いろいろあるとは思います。

その時間をコントロールする考え方がPR量のコントロールだと思いますけどね。ただ、みなさん、すぐに現金化しようとする。Web上で顧客を現金化しようと思ったらPRは必須です。いきなり刈り取ろうとしても無駄ですね…。そう考えると、Web上で、刈り取りという意味での広告宣伝価値は相対的に低くなりますよね。

どれだけ刈り取れるか? の効果測定はPR抜きには語れないということになります。単体での刈り取り単体での媒体価値は限りなく低くなり、いかにPRできるメディアであるかが重要になります。

そして、そのPR作業コストを負えるのか? 代行までできると、すごい代理店ですけどね。PRは上手く自動化するにしても、労働集約的な作業が必要になってきますね。お客様に手紙を書くようなものですから。そのお客様への手紙の蓄積が刈り取りをやった時の効果として現れてくるんですね。

ものすごい成長期の商材であれば、いきなり刈り取ってもいいんですよ。刈り取り続けていいんですよ。コエンザイムQ10に人が群がっていた時、気長にPRなんてやっていたら、商機を逃します。そういう時は刈り取りまくってください。ただ、そんな商材は滅多にありませんけどね。
このへんでも止められますが、もう少しだけ、高度なお話をしましょう。結局、Web媒体が発達したことによって、情報は摂取しようとすればできるようになりました。

PRしていることも、本当か、嘘か、そういうものはじっくり考えれば、じっくり感じればわかってきますよね。だから、怪しい情報商材は購入を急がせるんです…。いますぐ申し込むと…、今すぐ申し込まないと…、という脅しの文句がありますね。

多分、90年代から2000年前後に日本で大流行したダイレクトマーケティング、ダイレクトセールスの考え方は今でも使えると思いますが、その時に流行した文言はもはやしんどいですね。

「○○な方にいいお知らせです!」とかね。

その本位がわかっていれば、自分でいかようにでも組みなおせますけど、うわべをなぞっていると集客できなくなってきていると思います。

結局、本質的なバリューからのメッセージの質が問われています。そういったメッセージを出し続けられている会社は、集客には困らないでしょうけど、そういったことが無い会社は、集客に困るでしょう。もはや自分メディアのパワーが、企業が作っているメディアのパワーとの差を本当に縮めてしまっています。

そうすると、メディア価値というのは、なんなのか?というところに行き着きます。特にWeb上の場合です。

メディア価値よりも、コンテンツ価値へと、クリティカルポイントが移行し始めています。というか、Webメディア上ではもう移行し終わっているでしょう。そのコンテンツ価値の源泉は、結局、そのビジネスの社会に対する提供価値です。その背景にあるストーリーですね。なぜ、その人はそのビジネスをやっているのか? と。

このあたりのお話は、わかる人にはわかるけど、分からない人には全然伝わりません。いまだに、古いセールスメッセージで集客できると思い込んでいたりします。「できなくはないですけど…」とそういうお客さんに私は言います。でも、悲しい気持ちになります。この時代の移行に気づいてすらいない人が多いのですね。

この辺りのお話は、お伝えしたいことはやまのようにあるのですが、テーマを絞っているので、今日はこのへんで失礼致します。

あなたの見えているビジネスの風景が、一気に開けることを心よりお祈り申し上げます。
(この記事は2009年3月6日に初掲載されたものです。)

【記事提供元】
INSIGHT NOW!(インサイトナウ)