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サプライ・チェーン・マネジメントの最適化

前回のコラムで、これからのサプライ・チェーン・マネジメントの重要性についてご説明しました。ではサプライチェーンを最適化していくにあたり、どこからはじめるのがよいのでしょうか?

サプライチェーンの最適化を単に「物流費の削減」というように捉えると、物流拠点の集約やトラック台数の集約、物流業務自体のアウトソーシング、といったことが優先事項としてあがってくると思います。また、業種によっては「在庫削減」が資金繰りの面でも、倉庫費用、廃棄費用等を考えると優先されるというように考えるところもあるかと思います。

これらはもちろん大切なのですが、あくまで経費削減の視点に偏ったやり方であり、「サプライチェーンの最適化はコスト減だけだから、営業には関係ない」「全社的な取り組みにする必要がない」という考えに陥りがちです。サプライチェーンの最適化を全社的な取り組みとし、本格的な改善としていくためには「顧客サービスレベルの再設定」から始めるのが重要です。

「顧客サービスレベルの再設定」とは、お客様に提供するロジスティクスに関連するサービスを見直し、お客様のステータスにあったレベルのサービスとしようとするものです。

具体的には、
・運賃の負担をどうするか?
・発注から納品までのリードタイムをどれくらいまで許容するか?
・発注の締め時間を何時に設定するか?
・納品頻度の上限を何回に設定するか?
・流通加工サービスをいくらで、どれくらいまで提供するか?
などがあり、業種、業態によってさまざまなものが考えられます。

ルールがまったくない、という会社は少数でしょうが、お客様のステータスにあったサービスレベル設定をできている会社、発生コストに見合う費用設定をできている会社は多くありません。

営業さんがプラスワンの受注をするために積極的過ぎるサービスを提供してしまったり、過去に決めたルールをなんとなく継続して適用してしまっていたりするケースが多く見られます。サービスレベルを適切に設定すると、取引額の多い、いいお客様には手厚く対応してもっと売上が増えるような方向に持っていくことができますし、逆に利益が取れず費用ばかり嵩むお客様に対するサービスはやや薄くなるため、会社として力を入れるべきところがわかりやすくなります。また、お客様に明確に説明できることから、お客様も取引の状況に応じて必要十分なサービスを求めるようになります。

顧客サービスレベルの再設定は、営業とバックオフィスが協力して進めるものであるとともに、売上増加が望めることから、全社的な理解が得やすいです。「物流が悪くなったから売上が伸びない」というような不満を生まないためにも、アグレッシブな、これから物流を皮切りに売上を伸ばしていくんだという姿勢が全社的な取り組みにつながります。

また、ロジスティクスに関連している費用の見える化を並行して進める必要があることも最初にやるべき理由の1つです。料金設定を行うためには現在発生している費用を把握する必要があるため、見える化されていない会社であっても、ここで徹底的に現状を把握する必要があります。

顧客サービスレベルの再設定により顧客満足度をあげることができれば、売上増、全社的なモチベーションアップによってサプライチェーンの最適化を順調に始められるのです。