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なぜ売れない「ブランド」になってしまったのか?【2】

■ブランド分散化の背景と結果
二つ目は「ブランドの分散化」である。ショッピングセンターなど商業施設の要請により、新ブランドの開発(○○初出店ブランド)を求められ、主力ブランドと客層が少し異なる「姉ブランド」「妹ブランド」を作ったが、主力ブランドと上手に棲み分けが出来ず、結果的に一番の競合ブランドになる、売れているブランドの後追いで新ブランドを始めたが、先行する競合ブランドとの違いが少なく、自ら「レッドオーシャン市場」を作ってしまったなど、限られたパイを奪い合う中で、ブランド当たりの売上が下がる傾向が多く見られる。

そしてこのような企業では、新規ブランドや不振ブランドの撤退ルールがなく、ブランド数ばかりが増えている。成功基準や撤退基準を作り、スムーズなブランド改廃を進める必要がある。

■マンパワー分散化の背景と結果
三つ目が「マンパワーの分散化」である。(1)ブランド数増・出店数拡大・人員削減・コスト削減・業務の兼任などで、一人当たりの業務量が急増 (2)「立地の分散化」により、企画する型数が増え、1型に対して投入できる手間・時間が減少、型数が増えたため、1型当たりの生産量が増えず、ヒット商品を作りにくくなっているマーチャンダイザー (2)前年の売れ筋ばかりを欲しがる店長のために、前年踏襲品を企画 (2)商品の種類が増え、売るべき主力商品の情報が十分に売場に落ちておらず、事前準備など力の集中化が出来ていないなど、「マンパワーの分散化」による現場の疲弊や売上の機会損失が目立つ。

■売れないブランドの処方箋
以上が「売れないブランド」で発生している典型的な事例である。苦境に立たされるアパレル企業には「待ったなし」の状態になっているケースも多い。とはいうものの、もともとのブランド価値が高く、やり様によって改善できるブランドも多く存在する。まだ余力がある時にこそ、「自社の強み」に経営資源をすべて集中し、外部のプロ経営者・専門家・金融機関などの知恵や力を借りて一気に改革を進めるべきである。

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佐橋 賢治
株式会社船井総合研究所 チーフ経営コンサルタント
百貨店にて婦人服セレクトショップのバイヤーを経て現職。 「船井流マーケティング」と前職のバイイングで培った「感性」の両方をバランス良く操る小売業経営者の強い味方。生活雑貨店を中心にコンサルティングしており、規模を問わず 単店舗から大手チェーンの企業までと幅広い。「答えは現場にしかない」をモットーに、日々現場を飛び回る。