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近畿大学志願者数日本一の裏側

先日、今、話題の近畿大学広報部部長である世耕様のお話をお聴きする機会に恵まれました。そこで、近畿大学が志願者数日本一になった裏側、ポイントとなる話をお聞きしたのですが、この内容は、一般企業にも参考となることが多いにありますので、ここで記載したいと思います。

世耕様いわく、世の中には、ブランドが固定化されてしまい、提供しているものがそれほど変わらなくても逆転できない業界がたくさんありますが、その一つが学校であるとおっしゃられています。それを以下のように表現されていました。関東なら、東京大学がプレミアリーグ、その下の一部リーグが一橋や横国などの国立、二部リーグが早慶上理、三部リーグMARCH、そして、日東駒専、大東亜帝国などと続きます。関西なら、一部リーグが京大・阪大・神大、二部リーグが関関同立、三部リーグが産近甲龍となぜか、昔から現在に至るまで一貫して変わっていません。

しかしながら、そこまで提供しているもの、内容、品質、などに差などないにも関わらず、昔に決まった序列的なものでブランドが確立され、それで学生も試験を受けています。これをどう打ち破るのか、というのが、近大・広報に課せられたミッションだそうです。近大は近大マグロなどで有名になったと思われていますが、実は、それは後のこと。まず、はじめに世耕様がしかけたのが、当時常識化していた紙による願書受付を日本で始めて、Web願書受付に切り替えていくことを決断し、広報することだったそうです。

当時、その動きに否定的だったのが高校における進路指導の先生方であり、数年間は散々な結果だったそうです。それでも根気強く、あらゆる手段で広報活動を行ない、マスコミにも取り上げられるようになりWeb志願者数が急増。そのタイミングで100%Web願書のみに移行し、そこでWeb願書が世の中に受け入れられ、同時に志願者も日本一になったといいます。今度は志願者日本一を徹底的にうたうことにより、はじめて近大が行っているその他の活動(例えば、日本初の水産養殖や近大マグロ、直営レストラン、企業との共同研究数日本一、など)がマスコミで取り上げられるようになっていったといいます。

つまり、船井総合研究所でいうところの一点突破、一番主義戦略です。どのような会社や組織にもいいところや打ち出したいところが無数にあります。しかし、それを全てうたうとぼやけてしまいます。そこで、近大広報部は、色々と要素のあるなかで日本初にこだわって地道な広報を続けられました。最後に、一番をとることは目的でなく、手段であると世耕部長はおっしゃられています。目的は、ブランドを崩し、フェアな大学入試環境を日本につくりあげることであり、そのための絞り込み広報戦略だといいます。一般企業にも大いに参考になる話でした。

菅原 祥公
株式会社船井総合研究所 執行役員 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け講演/デューデリジェンス
どのような企業にも必ず“存在意義”があり、常に“長所を核とした成長の 種”はある】をモットーに、企業の三宝である「理念やトップのビジョン・戦 略」、「マーケティング」、「人・組織・マネジメント」そしてその結果としての 「財務」といった各要素を多角的に判断し、事業全体のデザインを再構築し ていくことをテーマにコンサルティング活動している。株式公開をはじめ、 事業再生や事業承継がからんだ事業計画立案、M&A案件にも多く関わっ ており、現在、船井総研の経営戦略コンサルティング部門を統括している。 ○主な著書 「最新ビジネスデューデリジェンスがよーく分かる本」 秀和システム刊 「図解入門ビジネス 最新中期経営計画の基本がよーくわかる本」 秀和システム刊 「経営の極意」 総合法令 刊(船井総研社員との共著)などがある