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“ペヤングソース焼きそば”のニュースから見える有名ブランドならではの恐怖!

■超情報化社会の到来

ご存知のとおり、インターネットやスマートフォンが普及したことで、情報が誰でも、どこでも、簡単に、入手することができる世の中となりました。(下グラフ 「総務省:通信利用動向調査」ご参照)
インターネットの普及は目覚しいものがありますが、依然としてインターネット上にある情報精度はまちまちで “正しいもの”から、“間違っているもの”、さらには“悪意を持ったもの”まで様々あります。

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■超情報化社会で生き残る難しさ~有名ブランドのあっという間の失墜~

先日、次のような衝撃的なニュースがネット上で取り上げられました。
「ペヤングソースやきそばを製造する、まるか食品は11月4日、消費者から商品に虫が入っていたとの指摘を受け、11月10日にこの商品と同じ本社工場のラインで製造した約5万個を自主回収すると発表した。……」

この一連の騒動が教えてくれる企業としての恐怖は、一度ミスをすると取り返しのつかない目に合ってしまう、ということではありません。真の恐怖は、“事実かどうか判明する前にも係わらず、すでにブランド評価が下がってしまっていること”にあります。まるか食品は“事実確認を調査中の段階”にも係わらず、5万個の商品を自主回収することになります。
この先、仮に間違っていたとしても、このように取り上げられてしまった以上(すべての人がその事実は知ることができるか分からないため)ブランドイメージの低下は免れないことになります。有名ブランドならではの自体でしょう。この先、もとの状態へ回復するのは相当な労力が必要と考えられます。

■マクドナルド“チキンショック”から見える客の取り戻し方

同じようにマクドナルドでは昨今、中国の食品メーカーが使用期限の切れた肉を加工食品に用いていた問題が取り上げられ、一気に信用を失うことになりました。
この想定外の自体に下半期の収支見通しが立たないとして、12月期の通期決算予想を取り消して「未定」とする異例の措置も発表したことも話題となりました。この後、マクドナルドがとった行動は次のようなものでした。
“一刻も早く、マックを食べる習慣を取り戻せ!”と言わんばかりに、“テレビCM”・“HP”・“チキンナゲット無料券が付いた安全性を訴えるチラシ”を配布しました。
いまなお、問題のチキンナゲットは(クーポン券を使えば)100円で食べることができます。残念ながらまだ回復はしていませんが、客数はこれから徐々に回復していくのではないかと思います。

■ブランドを守るためには少しの兆しも見逃すな!

昨今の食品メーカーを中心とした不祥事から学ぶことは、ブランドは創ることもそうですが、守り続けることが極めて難しいということです。今は、昔とは異なり、対個人だったクレームでさえも、瞬間的に対世界へのクレーム対応へと発展する時代です。そして、対応のやり方を少しでも間違えればどんなブランドであっても“即倒産”なんてこともある恐ろしい世の中となっているのです。
最後にブランドを守るために、ぜひ定期的に行っていただきたい代表的な調査を記載します。

【1】利用者アンケート調査
主にWEBアンケートなどで、利用者へ企業・商品のブランドイメージを定期的に確認する。良い点、悪い点を把握しつつ、グループインタビューなどで詳細に確認するとなお良い。

【2】従業員アンケート調査
自社従業員に向けて、現在の満足点、不満点、最近の気になる点などを確認する。ご存知のとおり、一連の不祥事はすべて末端で起こっています。たとえ、小さな声でも積極的に集めるようにしましょう。

【3】ソーシャルメディア調査(twitter・facebook・各種サイトなど調査)
以前から注目されていた調査でしたが、これからは本当に必要とされる調査なのではないでしょうか?インターネット上にある、特にマイナス意見を積極的に集めましょう。

これからの時代はますます、ブランドを守るという視点は重要となります。ぜひ、皆様も一度、検討してみてはいかがでしょうか?

下田 寛之
高収益化支援部 部長
2007年に青山学院大学経済学部卒業後、株式会社船井総合研究所(現株式会社船井総研ホールディングス)に入社。入社後は事業計画策定、新規事業開発、ビジネスデューデリジェンスなど多岐に渡るテーマのコンサルティングに従事。現在は高収益化支援部にて、社内横断型のコンサルティングサービスを推進。代表的なものとしては「高収益経営フォーラム」、「ビジネスモデル診断」、「組織力診断」、「クラウド人事評価制度~Advance~」が挙げられる。