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築き上げたブランドを守れ!~バイトテロから考えるブランド棄損リスク~

「従業員のいきすぎた悪ふざけ!店内で撮影した不適切写真を理由に、東京都内のステーキ店が閉店へ!」

まさに昨年の今頃、飲食店や小売店を震撼させ、社会現象ともなった信じられないニュースです。悪ふざけをした本人は、友人や知り合いを笑わせてやろうと軽い気持ちで行なったことでしょう。ただし、現実はそう甘くはありませんでした。
店は閉店。本人はクビになっただけではなく、損害賠償請求まで検討されるという自体まで発展しました。

店は閉店してしまったので、長年かけて築き上げてきたブランドが“たった一人”の“一回の悪ふざけ”で音をたてるように崩れ去ってしまったということになります。本人はもとより、経営サイドもこれほどまでに深刻な事態となるとは思ってもみなかったことでしょう。では、このような事態はどうすれば防ぐことができたのでしょうか。今回のコラムではその一つの答えを紹介していきたいと思います。

■自店が抱えているブランド棄損リスクをまずは洗い出す!
まず、対応策を考える上で最も大事なことは自店が抱えているリスクを洗い出すことです。今回のケースにおけるリスクはどう考えれば良かったのでしょうか?
飲食店や小売店にとって、「低い人件費でお店をまわしていく」ことは、利益を高めていく上で非常に重要な視点であることは言うまでもありません。

ただし、ここで考えなければならないことは“低い人件費でまわす”ということに対するリスクです。低い人件費でまわすということは、簡単な表現で言い換えると「未熟な従業員を使う」ということを意味します。
一連の騒動は、この「未熟な従業員を使う」ということによって生じるリスクへの詰めが甘かった、ということをまず受け止めなければなりません。

■不正は “できない環境作りを行なう”ことが重要!
不正が起こる現場では、面白いほど不正が起こりやすい環境が整っています。
簡単な例で言うと、アルバイト1人が切り盛りする飲食店において会計もアルバイトが行なう場合、当然、盗難リスクがあります。例えば、この環境において、店にお客様もいない、カメラも設置していない、という状況を想像してみてください。誰もが盗まれてもおかしくないと思うことでしょう。

一連の騒動となった不適切写真のケースも同様です。悪ふざけの場所となったキッチンは、お客様から見えないのでしょう。従業員も友達同士のような馴れ合いが生じている環境であったのでしょう。さらに写真は携帯電話から撮影されているので、携帯電話も持ち込める環境であったのでしょう。

後の祭りではありますが、不正が起こりやすい環境であることは誰が見ても明らかです。このケースの場合、必要ない携帯電話を持ち込ませない、仕事と関係ない私語はキッチンでは禁止、これらを徹底するだけでも今回の事件は防げたことでしょう。

■リスク対策は、いつから始めても遅くない!
一連の騒動が教えてくれることは、“ブランドづくりは非常に難しいが、崩れるときは一瞬である”ということです。このコラムを見て少しでも不安を感じた方は、一度リスクの洗い出しと対策をオススメします!“ブランドはつくるだけでなく、守ることも重要“この視点を忘れずに!

下田 寛之
高収益化支援部 部長
2007年に青山学院大学経済学部卒業後、株式会社船井総合研究所(現株式会社船井総研ホールディングス)に入社。入社後は事業計画策定、新規事業開発、ビジネスデューデリジェンスなど多岐に渡るテーマのコンサルティングに従事。現在は高収益化支援部にて、社内横断型のコンサルティングサービスを推進。代表的なものとしては「高収益経営フォーラム」、「ビジネスモデル診断」、「組織力診断」、「クラウド人事評価制度~Advance~」が挙げられる。