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人工知能~IBM社・ワトソン~

日本の大手銀行がIBM社の開発した人工知能ワトソンの導入を検討していることが新聞で報道されている。顧客からかかってきた電話に対して、人間ではなく、人工知能が応対する体制を構築していくとのことである。このIBM社のワトソンは、すでにアメリカでは、医療や法律など様々な分野で導入検討が開始されており、日本でも大手銀行での導入検討をきっかけに様々な業種で導入の検討が進むことが期待されている。

そもそも、このIBM社のワトソンとは何だろうか?これまでにも様々なコンピュータの新技術が生まれてきているため、多くの方は、「また大手企業が革新的な技術を開発した」というくらいにワトソンをとらえていると思うが、実は、このワトソンの登場こそ、コンピュータの知能が人間の知能に置き換わる時代の到来を意味する。ワトソンとは、「自己学習能力を持ったコンピュータ」であり、これまでの人間が活用することによってはじめて動作するデジタル技術としてのコンピュータでなく、自ら考えることができ、かつ成長していく、まさに知能なのである。

元来、コンピュータの機能はデータの蓄積と計算である。コンピュータは、データを蓄積し、そのデータを自動的に分析・解析できる。データはすべて半導体を用いて0と1で表現されることになるが、ケミカル技術の進歩によって半導体の小型化が実現し、複雑で膨大なプログラミングや計算機能やメモリ機能はすべて小型のチップに集積されており、今や手のひらの上であらゆるデータの閲覧と分析が可能になっている。

そして、そのデータの分析や解析の機能を汎用的に普及させたのが、グーグルに代表される検索エンジンであり、その検索エンジンはクラウドサービスを通じて飛躍的に拡大し、今や我々の生活にはなくてはならないものになっている。グーグル社は「世界中の情報を整理する」という目標のもと、そういった様々な情報が汎用的に使えるような社会を検索エンジンによって実現した。検索エンジンによって、我々は必要な情報を、必要な時に、手のひらの上で手に入れることができるようになったのである。

ワトソンは検索エンジンよりもさらに進んで、膨大なデータの中から最適な一つの答えを導き出すという機能を持っている。例えば、IBM社がワトソンを紹介するときに例としてあげているものに「レシピ提案」がある。自分の好きなもの、または逆にアレルギーがあるものなどをあらかじめワトソンに情報として提供しておけば、あとは日本食が食べたいとか、スパイシーなものが食べたいといった気分に応じて、必要な情報を追加すれば、ワトソンが膨大なデータベースの中から、「今日のあなたにとって最適なレシピ」を提案してくれるのである。

このようにワトソンは、人間の知能を使わなくても、完結した対応を行うことができる。ワトソンのような人工知能の普及により、我々の生活はより豊かになると同時に、今は人間にしかできない仕事も将来人工知能に置き換わっていくだろう。我々人間としても仕事をコンピュータに奪われないために、ワトソンに負けない分野をいっそう磨いていかなければならない。