MENU
×

MENU

自社を地域ブランドにしよう

中小企業にとって、多店舗化の意味はどこにあるのでしょうか?
この理由は、これまでいろいろ語られ、考えてこられたと思いますが、いまひとつ絞れていないように思います。なぜ多店舗化が必要なのか?その理由が不明瞭なままに出店している場合も多いように思います。

多店舗化は善なのでしょうか?必ずしもそうではありません。
無理して店舗数を拡大する必要もなく、1店舗で力の入った店をやっていればよいという考えもあります。オーナーシェフのレストランなどは、そのほうがよいかもしれません。

ビジネスを大きくするためには店舗数を増やして売上高を増やしたい・・・もちろんそれも強い動機になるでしょう。いつ競合店が出てくるかわからないから、リスクを分散したいというのもあるでしょう。社員が増えてきて、店長ポストを与えたい、という内的な理由の場合もあるでしょう。
しかし、直接的な経済要因以外で出店の理由というのはあるのでしょうか。

多店舗化に理由があるとしたら、私自身はこう考えています。
1.自社を「地域ブランド」にして、長きにわたって繁栄するため。
2.優れた人材を獲得し、長きにわたって企業を存続発展させるため。

どのような商品にも「ライフサイクル」というものがあり、ヒットした商品もいずれ飽きられてしまいます。どのような事業も、同じやり方で10年以上続けるのはなかなか難しいものです。しかし、そういった中で「定番」となってロングライフ化している商品や店舗というものは、「地域ブランド」と化しています。

店舗ビジネスの場合、多店舗化の意味がどこにあるかというと、自らの「地域ブランド力」の強化のためにあるといえます。そうすることで、出店戦略も、この「地域ブランドづくり」を目的とした場合に、明確なものになってきます。出店エリアとしては、なるべく商圏がかぶらない程度に近接して出店すべきでしょう。そこに出店することで自社のブランド力が上がるのかどうか、それを判断の上で出店の意思決定をすればよいということになります。

さらに、出店するだけでは十分とは言えず、そこで新しい人材を育成できるかが大事になります。採用段階で質の高いスタッフが集まるような工夫を考える必要があります。そこで、自社の方針、考え方の「柱」を明確にして、行動指針をはっきりとさせる必要があります。

要するに、社内のものの考え方を「地域ブランド企業になる」というところに集約させていく必要があるわけです。意識を変えるだけでも変化はありますが、お客様からもそれが「見て分かる」ようになるためには、行動を具体的に変化させねばなりません。行動といっても、おおげさなことではなく、日々の習慣的行動を変化させていくことがそれにあたります。

自分がこれまで関わってきた企業様でも、地域ブランドと化している企業様がいくつもあります。そういった会社の多くでは「習慣」を見直しています。まず朝礼、言葉遣い、社内用語、など基本的なところから見直しています。

多くの会社では、経営者の倫理性・社会性の高さで、なんとなくそうなっている場合が多いです。こういった取り組みを、より効果的なものにするためにも、ぜひ「自社を地域ブランドにしよう」という明確な目標を掲げてみてはいかがでしょうか。

山本 匡(ヤマモト タダシ)
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/ショッピングセンター経営・ディベロッパー経営 船井総研における店舗開発・物件開発の第一人者。大型ショッピングセンター開発を中心とした、店舗・物件開発を多数手がける。ビジネスモデル構築を得意としており、開発業務を支援するのではなく、成功する事業構築を支援することを信条としている。 実務面では、マーケティング調査から立地選定、建築・内装計画、レイアウト、運営計画、コストコントロール等、SC開発の実務に精通。地元主導SCにおける多くの経験をもとに、タウンマネージャーとして、地方自治体や商工会・会議所、TMOにまちづくり事業への助言実績も多数。専門店の店舗開発・リニューアルも手掛けており、店舗だけではなく商品開発でも成功事例多数。