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地域ブランド作りの舞台裏 シリーズ2 「ブランド化の起源を探る」

「地域ブランド化」このキーワードはいまや地域を訪れると
必ず遭遇するといっても過言ではないほど一般的になりつつあります。

一方、ブランドという言葉ほど定義の曖昧な言葉も少なく、使われ方も多岐にわたっています。

そこで今回は、地域ブランド作りの舞台裏の一つとして
「そもそも地域にブランド化が必要かどうか?」にまで立ち返り、
ブランド化の原点を紐解くことでその効果のほどを確かめてみたいと思います。

■人口減少時代の到来と地域ブランド化交流の一致

まず日本における地域ブランド化の起源を確かめてみましょう。
多くの地域でこの言葉が浸透し、また行政内の課などにまで使われ始めたのは
2000年代に入ってからになります。
もちろん過疎がいち早く訪れた地域ではそれより前から使われていましたが、
多くのケースは2000年代中盤ごろにスタートしていると言ってよいでしょう。
実は、この地域ブランド化の流行と軌を一つにして広まったキーワードがあります。
それが「人口減少」です。今でこそ一般的なこの言葉も、
2000年代前半ではまだ新しい言葉だったことを覚えています。

では、なぜ同時期に浸透したのでしょうか。

おそらく地域ブランド化という言葉は地域が直面した
「人口減少」に対する切り札と捉えられていたのでしょう。

では、なぜ地域ブランド化が人口減少への打ち手として考えられたのでしょうか。
その謎を解くには時間をもう少しさかのぼらなければいけません。

今回はブランド化の起源となったと言われる中世イタリアまでさかのぼってみましょう。

■ブランド化の起源、中世イタリア

ブランド化の起源には諸説ありますが、
地域ブランド化に関わっていて私が最もしっくりきた定義は
中世イタリアを語源とする以下の説になります。

時は中世。場所は「黒死病」という恐ろしい病気によって人口の1/3を失ったイタリアのある町。
この町において食料品を売っていたある店は深刻な売上不振に陥っていました。
もちろん原因は人口減少による買い手の減少です。

困った店主は一計を講じます。

すなわち、少ない量でもビジネスができるように一部の商品の値段をあげたのです。
しかしこれまでと同じ商品を理由なく値段をあげただけでは誰も買ってくれません。
そこで店主は、普通の商品と高価格の商品の区別をつけるためにある施策をおこないました。
それが「焼印をつける行為 = Burned」でした。

焼印によって印をつけられた商品は、特別の基準で選んだ商品としたのです。

その結果、商品同士の区別がつけやすくなり主に当時の富裕層である
貴族や豪商を顧客として商品が売れ、売上と利益を確保することに成功したということです。

いつしかこの印をつける商法が広く伝わり、
他の物品と自社の製品を区別するためのあらゆるロゴ、名前、キャラ、色彩等を総称して、
「焼印をつける行為=Burned」を転じ「Brand」と呼ぶようになったと言われます。

このようにブランド化という手法は、当時の極端な人口減少に見舞われた地域において
地域や店や個人が生き残る術として磨かれていったのです。
そしていつしか人口減少への対抗手段として定着していったのです。

■人口減少時代こそ ブランド化の効果がもっとも発揮される時代

さて、現代の日本に戻りましょう。

状況は中世のイタリアと似ている部分があります。
そう、人口減少が今後急速に進むという点です。
目を日本から世界に転じれば、世界人口は急速に拡大しており、
ブランド化という手法によって獲得できるであろう客層はまだまだ広がりつつあります。

地域間競争という意味だけではなく、
優れた知恵で新しいブランドを生み出すことこそが今後の世界における地域の生き残り術となってくるでしょう。

いかがでしたでしょうか。
ぜひ、今後はこの地域ブランドの語源も踏まえつつ
ぜひ世界で生き残れる地域を作っていただければと思います。

杤尾 圭亮
株式会社船井総合研究所 プロジェクトマネジャー
経済産業省認定 中小企業診断士
総務省認定 地域再生マネージャー(平成22年度)
総務省認定 地域創造アドバイザー(平成23年度)

2004年慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 修了後、船井総合研究所に入所。入所後から一貫して地域再生を志し専門部署「パブリック・イノベーションチーム」を設立。自治体、商工会議所などの公的機関に対するコンサルティングを行っている。得意分野は地域を含めた特産品等から創めるブランド化。おおむね5~10年間 地域にかかわりながら徐々に地域ブランドを進める手法を採用する。

【公式Web】地域ブランド創造:http://www.machiokoshi.net
【ブログ】地域活性化コンサルタント日記:http://blog.livedoor.jp/keisuketochio/