MENU
×

MENU

NBAが提供するエンタテインメントの原点に商売の本質を見た

アメリカという国はエンタテインメントの世界ではやはりNo.1であるということを見せつけられる経験をしました。
先日、ニューヨークに出張した際に念願だったNBAの試合を見る機会がありました。
ニューヨークニックスとマイアミヒートの試合が行われていました。

試合が行われたのはマディソンスクエアガーデン。あの「マジソンバッグ」で日本では有名になった施設です。8番街・33丁目にあるエンタテインメントアリーナです。
ここはバスケやホッケーなどの試合が行われるスポーツアリーナと映画館やコンサートなどが開かれるシアターで構成されています。
もともとはサーカスの興行を行う方が作ったということもあり、エンタテインメントを基本として施設は作られているのが特徴です。

スポーツアリーナには2万人が収容できる屋内施設なのですが、当日はNBAと映画の両方があり、すごい人が会場外で待っていてびっくりました。
セキュリティもかなり厳しく、今のアメリカの実情を体感した瞬間でした。

576_02NBAが提供するエンタテインメントの原点に商売の本質を見た
(写真 人でごった返す入口)
さて、スポーツアリーナの一番上の席から今回は試合を見ることになったのですが、まずは満席の会場に驚きました。

バスケが完全にアメリカの人達のライフスタイルのひとつになっていることを実感しました。
来場しているお客さんはファミリーが多くてまたびっくり。
家族でビールやコーラとハンバーガーやポテト、ピザなどを買い、それをつまみながら楽しそうにゲームを見ています。

ニューヨークなのでニックスの応援がすごいのですが、今、ニックスはあまり強くない(?)こともあり、相手のマイアミの応援も目立ちます。どちらの応援も成り立つというか、殺伐とした雰囲気があるわけでもなく、みんなが安心して楽しめるスポーツだと感じました。
目の前で見る試合も本当にアグレッシブで、2m級の選手達の試合のダイナミックさに感動しました。

576_03NBAが提供するエンタテインメントの原点に商売の本質を見た

いかに観客を楽しませて帰ってもらうか
しかし、それ以上に感動したのが、タイムアウト中に行われる数々のイベント、ショータイムです。

とにかくスゴイ。
タイムアウトになるたびに、選手はベンチ前で作戦を練っていますが、その間コートは空いたまま。ここでさまざまなイベントがあるわけです。

576_04NBAが提供するエンタテインメントの原点に商売の本質を見た
576_05NBAが提供するエンタテインメントの原点に商売の本質を見た

(写真 チアリーダーのショータイム。下は子供達のチアリーダー)

576_06NBAが提供するエンタテインメントの原点に商売の本質を見た

(写真 セレブ来場をお知らせする大型モニター)

576_07NBAが提供するエンタテインメントの原点に商売の本質を見た

(写真 来場者が大型モニターを使って誰かにメッセージ送るイベント)

576_08NBAが提供するエンタテインメントの原点に商売の本質を見た

(写真 ドッグショー)

【ショーの一例】
・アーティストによるアメリカ国歌斉唱
・チアや子供達のチア
・スポンサーがついたフリースローイベント(1回入れると250ドルで10回入れるとKIAのクルマがもらえる)
・セレブ来場を伝えるモニター(この日はサッカーのベッカムやハリウッドの俳優達が次々と紹介されていました)
・ドッグショー
・Tシャツ投げイベント(筒のようなものにTシャツがはいっていてそれを放り投げる)
・ツイッターによる応援メッセージのモニター紹介
・選手登場のショートコンとビデオ(これがおもしろい) などなど。

とにかく飽きる暇がありません。
時間があきそうになると、必ず何かをコート上、もしくは大型モニターを使って行います。
コート上で何もない時間がないのです。
これがNBAの凄さだと思いました。

本物のプロスポーツでありながら、エンタテインメント性を持ち合わせている。
選手達もプロ選手としてベストパフォーマンスをするだけでなく、観客を喜ばせるためのあらゆることをしますし、運営側もあれこれと工夫して、考えてたくさんのイベントを盛り込んでいます。

だから家族での来場が多いのだし、バスケに興味がなくても見に行きたくなるのでしょう。
会場には明らかにバスケファンではないだろうと思えるお客さんが3割以上はいたと思います。
試合を観るわけでもなく、隣同士でいろいろ喋ったり、買い物に行ったりして、でたり入ったりしている人も大勢います。
それでもとっても楽しそう。

同時期にニューヨークでは初開催となったスーパーボウルがありました。
ちなみにチケットをとろうと調べたのですが、一番安い席で30万円!!アリーナ席であれば1枚150万円、しかもペアでしか買えないので300万円!!という金額に驚きました。
しかしスーパーボウルはさらにイベント化されているわけですから、お金を支払った分の価値はあるのでしょう。(今年のスーパーボウルは最低の試合だったと地元の人は怒ってました……)

いかに人を喜ばせるか。
飽きさせない工夫をするか。
そして、派手なパフォーマンスで観客に最大限の楽しみを提供できるか。
もしかすると「やりすぎではないか?」と日本人は思うかもしれません。
しかし、エンタテインメントの世界はやりすぎくらいでちょうどいいのです。きっとアメリカ人はそう思ってこのようなスポーツイベントを企画しているのではないかと感じました。やりすぎくらいがエンタインメントではちょうどいいのかもしれません。

アメリカンプロスポーツのもつ価値、作り出している空間価値は、小売店がお客様に喜んでいただくためのさまざまな仕掛けや企画の参考になります。
私たちの商売の原点は、いかにお客様に喜んでいただけるかに尽きるなと思います。NBAの持っているブランド価値は、お客様のことを真剣に考えたエンタテインメント性の追求にあるのです。

岩崎 剛幸
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/情熱経営・トレンドから学ぶ企業ブランディング
「組織は戦略に従う。戦略は思い(情熱)に従う」というコンサルティング信条のもと、出会うすべてのお客様に対して、情熱を込めたコンサルティングを行う。コンサルティングテーマは、「永続性を実現させるブランド戦略」。アパレル業界を専門領域として、アパレルメーカーの戦略立案、新業態開発を得意とし、SPA専門店、百貨店、GMS、品揃え型専門店にいたるまで川上から川下までのコンサルティングを実施している。現在はアパレル企業のブランド戦略づくりに特に力を入れている。立教大学兼任講師。 【ブログ】「丸の内で働く情熱コンサルタントのブログ」