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世界に羽ばたく地域ブランドづくりのポイント

■地域ブランド化 全盛の時代

「いつかは訪れてみたい!」
そう思える地域がみなさんにもいくつかあると思います。
夢のような景色、おいしい特産品、あたたかいおもてなし。
さまざまな地域資源で人々を魅了する地域は、自治体の財政破綻などがささやかれる現代でも国内外を問わず多くの人をひきつけ、地域として繁栄を謳歌しています。

今日はそんな地域を作りたいと考える地域の現場から「ブランド」についてお話をしたいと思います。
現在、人口減少が急速に進みつつある日本の中で多くの地域がこの「地域ブランド作り」に取り組んでおり「大地域ブランド化時代」とも言える状況になっています。少しでも自らの知名度を上げ、観光、工業、すみやすさなどで勝負をかけている地域が大きく増えています。

ではこれらの取り組みはどのくらい成果がでているのでしょうか。
私が回らせていただいた地域の実情からざっくり申し上げますと、、、
「がんばってはいるが、なかなか成果が出ない、、、」
というのが現状ではないでしょうか。

つまり現在の地域ブランド化の現状は、取り組み自体は非常に多いがなかなか良い成果がでない状況にある、と言えるでしょう。

■「地域ブランド化」成否のポイント

では、なぜなかなか成果が出ないのでしょうか。

多くの場合は、地域の資源や組織、資金などが原因にされます。湖や山がない、食材がない、人がいない、お金がない、、、これはよく言われることですが、本当にそうなのでしょうか。

地域再生マネージャーとしてこれまで関わってきた経験から率直に申し上げれば、地域がもつ「力」にそれほど大きな差はありません。

では、成否の分かれ目はどこにあるのか?

それは、地域ブランド化で進むべきポイントのいくつかをきちんと押さえているかどうか、に尽きるのではないかと思われます。もう少し言ってしまえば、それらのポイントを抑えさえすれば世界に通用する地域ブランドも夢ではないとさえ言えるでしょう。

例えば岩手県一関市という地域では、地域の伝統食文化「もち食」に注目し「世界に冠たるもちの聖地」を目指して地域ブランド化を進めています。「世界に!」というと大きな話に聞こえますが、既に成果は出始めています。
今年度で3回目を迎える“もちグルメ”のみの食の祭典「もちサミット」は1回で2万人以上を集めるイベントに急成長し、広域から新しい若い顧客層をつかみつつあります。
また記憶にも新しい和食の「世界無形文化遺産化」においては、日本の和食を象徴する食文化として「一関のもち食文化」が世界に紹介され注目を集めています。

このように「地域ブランド化」は一見すると難しいと思われがちですが、一部の市町村では全国はもちろん世界にさえ情報を発信しようとしているのです。

■大切なポイント「独自固有の長所」と「時流適応」

では、地域ブランド化を進めるポイントはいったいどこにあるのか?
今日はその中でも
 「独自固有の長所」を見つける事
 「時流適応」で伸ばす事
の二つのポイントをご紹介しましょう。この二つのポイントをきちんと押さえるだけでも世界はグッと近づきます。

一つ目に重要なことは独自固有の長所を見つけ、その長所に集中して取り組むことです。
ここで大切なことは取り組むテーマが独自固有であり、また長所である点です。例えば一関市ではもち食文化においては伊達藩以来の伝統として300年以上の歴史があります。そしてその形式は小笠原流でもちのみを食する食文化「もち本膳」にまで昇華され、現在も「もち本膳」は地域に文化として継承されています。私も日本各地を回りますが“もち”においてここまで特化した食文化を持つ地域に出会ったことはなく、まさに地域の独自固有の長所となっていたと言えるでしょう。

561_2世界に羽ばたく地域ブランドづくりのポイント

二つ目に重要なことはその長所を「時流適応」で伸ばす、ということです。
この意味は、長所を強化・PRするときに現在支持されているトレンドを活用する、ということです。
先ほどの一関の事例でいえば、もち食文化を浸透・拡大させるために「もちサミット」を用いた背景には、各地で地場食材を活かした「ご当地グルメ」が活況を呈している点があります。特にうどんや丼ぶりなどに特化したイベントは多くの地域で支持を得ていますから「ご当地もちサミット」もまた支持される可能性は高かったと言えるでしょう。
また和食の世界遺産については、国家を挙げての取り組みですからその勢いの力については非常に大きかったといえるでしょう。

561_3世界に羽ばたく地域ブランドづくりのポイント

このように「独自固有の長所」、「時流適応」という二点をきちんと守るだけでも、世界へ通用するブランド作りはグッと近くなるのです。

日本の各地域において人口減少がますます進む中で、地域のブランド化は非常に大きな力を発揮します。地域ブランド作りで大変な努力をされている地域が一つでも多く成功するようぜひポイントをご活用ください。

杤尾 圭亮
株式会社船井総合研究所 プロジェクトマネジャー
経済産業省認定 中小企業診断士
総務省認定 地域再生マネージャー(平成22年度)
総務省認定 地域創造アドバイザー(平成23年度)

2004年慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科 修了後、船井総合研究所に入所。入所後から一貫して地域再生を志し専門部署「パブリック・イノベーションチーム」を設立。自治体、商工会議所などの公的機関に対するコンサルティングを行っている。得意分野は地域を含めた特産品等から創めるブランド化。おおむね5~10年間 地域にかかわりながら徐々に地域ブランドを進める手法を採用する。

【公式Web】地域ブランド創造:http://www.machiokoshi.net
【ブログ】地域活性化コンサルタント日記:http://blog.livedoor.jp/keisuketochio/