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ブランディングとは何か

ことビジネスの場面においては、“ブランド”や“ブランディング”という言葉を聞く機会が多くあると思います。

しかし、「ブランドって何?ブランディングってどういうこと?」と質問してみると、実はしっかりと回答できる人があまりいない印象を受けます。

今回は、ブランド/ブランディングとは何か,について考えていきたいと思います。

まず、ブランドとは「消費者が認識する“価値イメージ”のこと」であると捉えることができます。価値イメージとは、消費者が商品やサービス、もしくは企業に対して思い浮かべる“価値”のことを指します。

つまり、ブランディングとは「消費者の持つ価値イメージと、自社のコアバリューを結び付けること」であると定義できます。

例えば、“紙おむつ”という特定商品において、“安い商品がいい”という価値観を消費者が抱いていた際には、

「紙おむつ」×「安い」 = ○○社製品

といったようになります。市場の一定の割合以上の人に「安い紙おむつと言えば○○社」といった状況をつくることができれば、ブランドは確立されたと認識していいでしょう。

このとき、○○社は、「紙おむつ×安い」といった特定の領域において、競合他社に負けない状況をつくるための“活動”が必要になります。この“活動”こそがブランディングとなります。

活動はその特定領域における、あらゆる“顧客接点”において、何に取り組んでいくかで決まります。顧客接点は「店頭」「広告」「ソーシャル」「WEB」など、あらゆる場所/チャネルで創出されます。その全ての顧客接点において、一貫したメッセージを発信し続けることが重要になるのです。

ちなみに、消費者の価値観は1つだけとは限りません。「品質」や「実績」、「信頼」など、非常に多岐に渡ります。(戦略コンサルティングファームのローランドベルガー社では、この消費者の持つ普遍的な価値観を19コに集約しています。)

さて、ここでよくあるブランディングの失敗例を紹介したいと思います。失敗するパターンは、大きく2つ挙げられます。

1つは、自社が打ち出すコアバリューの市場ニーズが、実は全くなかった場合です。どんなに優れたコアバリューを打ち出しても、市場ニーズがなければ意味がありません。市場に明確に存在するニーズ(=価値観)に対応するコアバリューを持てるかどうかが重要になります。(先の例で言えば、安い紙おむつを求める消費者が1人もいなければ、いくら「安い紙おむつは○○社!」とアピールしても意味がないということです。)

2つ目は、顧客接点における活動に問題がある場合です。前述しました通り、あらゆる顧客接点において、一貫したメッセージを発信し続けることが重要です。

最近ではソフトバンク社が、TVCMやソフトバンクショップの店頭、雑誌広告に交通広告などで、とにかくあらゆる顧客接点において「速くつながる」ことを一貫して伝えています。

これを継続することによって、いつしか市場は

「速くつながる携帯電話」=ソフトバンク社

という明確な認識を持つようになります。これがブランディングです。

“より速く、よりつながる携帯電話が良い”という、価値観やニーズを市場が確かに持っているからこそ、この活動に意義が出てきます。

ブランドやブランディングは、言葉にすることは簡単ですが、実践することは簡単ではありません。自社で認識しているコアバリューと、外部からコアバリューが全く異なる場合も往々にしてあります。

今一度自社の、もしくは自分自身のコアバリューについて再考する機会があってもいいかもしれません。