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銀座でNo.1になった筆談ホステスにマーケティングの真髄を見た!

(株式会社MBA Solution 代表取締役 安部 徹也)

耳が全く聴こえないにもかかわらず銀座でNo.1ホステスとなった斉藤里恵さん(25歳)の半生を綴った書籍“筆談ホステス”がバカ売れしているらしい。斉藤さんの銀座No.1への道のりには究極のマーケティングストーリーがあった!
先日、テレビに銀座でNo.1の売れっ子となった“筆談ホステス”の斉藤里恵さんが出演していた。私自身“筆談ホステス”など全く知らなかったのだが、斉藤さんは幼少時に罹った病気が原因で聴力を完全に失ったそうだ。耳が全く聴こえなくなったせいで心が荒み、未成年にも関わらず、酒やタバコ、盗みなどありとあらゆる悪事に手を染め、青森一の不良少女となって、厳格な親を困らせる。

そして、行き着いた先が銀座のホステス…。

ただ、耳が全く聴こえない斉藤さんはお客とのコミュニケーションは筆談に頼らざるを得ない。ところが、筆談でホステスとのコミュニケーションなど取ったことのないお客は、斉藤さんを避け、他のホステスを指名するようになる。

接客業に挫折を覚えた斉藤さんは、悩みをママに打ち明ける。そして、ママの口から出たアドバイスは『お客様の立場になって考えなさい』というものだった。

それ以降、斉藤さんはビジネスマンの間で売れているビジネス書や雑誌、新聞などを読み漁り、今ビジネスマンがどのような興味を持ち、どのような悩みを抱えているかに思いを巡らす。

そして、お酒の席でお客様が悩みを吐露した際に、さりげなく本の内容を引用し、お客様の悩みを和らげていく。斉藤さんに癒されたお客は、心が沈むたびに斉藤さんの元を訪れ、筆談で楽しくコミュニケーションを取るようになった。

お客様のことを知り尽くし、お客様がどのタイミングでどのような望みを叶えて欲しいと思っているのかがわかれば、お客様に満足いただくことはそう難しいことではない。

自分が払った金額以上の価値を感じれば、お客様は自然にリピーターとなり、新規顧客が増えてくれば非常に多くのファン客を抱えるようになるのは自明の理だ。

正に絵に描いたような理想のマーケティングではないか!

お客様の立場に立って物事を考え、お客様に価値を与え続けて銀座でNo.1になった“筆談ホステス”。

彼女にマーケティングの真髄を見た気がした…。
(この記事は2009年7月17日に初掲載されたものです。)