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コンサルティング脳の使い方(5)~問題解決の基本(事象の捉え方)~

今回は問題解決の基本となる「事象の捉え方」についてご紹介したい。
ポイントはいくつかあるが、本コラムでは事象を捉える際の「構成要素の定義」について説明する。

コンサルティングの現場では、顧客企業との会話において頻繁に「戦略」という言葉が使われる。
例えば、事業戦略、営業戦略、ブランド戦略・・・などなど。

しかし、この「戦略」という言葉を多用するは賢明でない。なぜなら「戦略」という言葉は「何やらスゴイことが出来そうだ」というイメージが先行し、何一つ具体的なことを述べていないからだ。

メーカーの営業会議を例に説明してみよう。

<会議進行役の発言>:「既存事業を伸ばすにはエリア戦略が重要です。これについて、皆様のご意見をお聞きしたいと思います」

参加者から様々な発言があったが、議論が開始されて15分以上経過しても、それぞれの会話が噛み合わない。

それもそのはず。「エリア戦略」の概念が、人により違うからだ。

そこで私から参加者に質問を投げかけた。
〔質問1〕何が決まれば、“エリア戦略”が決まっている状態といえるのか?

〔質問2〕私が考える“エリア戦略”とは、
(1)都道府県別に商材別の市場性を把握できていること。
(2)市場性から判断し、都道府県別に強化商材が決まっていること。
(3)各商材について販促策、販売プロセス、販売ツールが決まっていること。
(4)販売体制(販売組織)が決まっていること。
(5)販売活動のマネジメント体制が決まっていること。
(6)販売目標達成のための投資計画が決まっていること。
(7)投資計画を加味した売上・利益目標が決まっていること。
以上であるが、これらのうち、貴社の場合はどこに問題がありそうか?これら以外に考えなければならない要素は何か?と。

この例のように、「エリア戦略」という一つの事象を、抽象的な表現のまま議論しても具体的な打ち手にはつながらない。

従って、抽象的な表現になっている事象は、具体的な表現に変えるか、あるいは複数の構成要素に再定義して議論を進めることが望ましい。

このコラムを読んだ方は、若手のビジネスパーソンが、「営業戦略を立案したい」、「ブランド戦略を立案したい」といった発言をした途端、「で?一体何をアウトプットするの?具体的に教えて?」と聞きたくなるに違いない。

濱野 雄介
船井総合研究所 プロジェクトマネージャー