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新規事業をカタチにできる“変化”の風土を作ろう!

「既存事業はもはや頭打ちだから新規事業を立ち上げることが必要不可欠だ!」このような声は、年々大きくなっているように感じます。当面、日本の人口が減少する方向で、そこに歯止めがかかっていないことを考えると、産業のライフサイクル上の安定期に入っているような市場においては、国内の市場規模が拡大することが想定しづらいことから、新規事業に対するニーズが高まるのは十分理解できます。

しかし、ここで是非考えてみてもらいたいことがあります。「現在の主力事業である既存事業において、市場の停滞や衰退にひきずられるまま、従来のやり方を変えることもできずに業績低迷に陥っているのだとしたら、そのような組織が、全く取り組んだこともない新規事業の取組を成功させることは可能でしょうか?」

というのも、最近の傾向としては、既存事業を取り巻く市場の方に課題を感じているがあまり、「これから伸びていきそうな市場」に打って出るべきだと考えているかたが少なくありません。そうなると、例えば、医療や介護、あるいは農業といった市場に着目することになり、これまで取り組んだことがない分野であるにも関わらず、「どうやって進出しようか」という次のステップに入ろうとしてしまうわけです。これを「全くダメだ」というわけではありませんが、どうしても気になってしまうのは最初に問い掛けた「自ら変化できない組織に、全く新しい取組ができるのか」という点です。

アンゾフのマトリクスをご存知でしょうか?市場(顧客)を既存と新規に分けた軸と、商品・サービスを既存と新規に分けた軸のマトリクスです。全く経験の無い「新しい市場(顧客)に新しい商品・サービスを」というポジションも、市場が拡大基調であれば非常に魅力的ではありますが、一方で「新しい市場(顧客)に既存の商品・サービスを」のポジションもあれば、「既存の市場(顧客)に新しい商品・サービスを」のポジションもあるのです。

アマゾフ

「既存の商品・サービスで新たな市場(顧客)を獲得しようと考えたときに、これまでの仕事のやり方の何を変えるべきなのか?」「既存の市場(顧客)に対して新たな商品・サービスを提供しようと考えると、そもそも既存顧客のニーズを把握できるような関係性を築けているのか?」といったように、既存事業の枠組みの中でも、これまでに取り組んでいないような活動であっても是非やってみるべきだという活動を、さまざまな視点で出すことができます。

本当はやった方が良いに違いないのに、なぜかやらなかった(あるいは出来なかった)ような取組を、しっかりと実行に移すことも大きなチャレンジです。実際に、私どものクライアント先では、このような考え方を通じて始めた取組によって、業績向上のベクトルへ転換させた企業は決して少なくありません。

もともと「市場が衰退しているのだから自社の業績低迷は致し方ない」という意識が蔓延しているような組織であったにも関わらずです。このように、既存事業において“変化”を起こすことのできる組織であれば、その流れで「こんな事業に打って出ると良いのでは」というアイディアも数多く出るようになるはずです。

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川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。