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eコマース(電子商取引)導入のポイント[マーケティング戦略・営業戦略]

今回は、「eコマース(電子商取引)導入のポイント」についてお話させていただきます。

◆ eコマースとは何か?

eコマースとは、情報ネットワークを通じて行われる商業的な取引を指します。簡単に言えば、インターネット上で行われる売買のことです。

eコマースには、BtoB(企業間)、BtoC(企業と消費者間)など取引主体により形態が異なります。BtoCの例としてはインターネット販売(楽天市場など)が、BtoBの例としてはメーカーと部品供給業者間の購買・発注システムなどが挙げられます。

◆ なぜeコマースなのか?

eコマース導入の効果としては主に、「業務効率化」、「人件費削減」などコスト削減効果を期待している面が強いです。近年の発達したITにより注文から受注、ひいては商品発送に至るまで自動で各処理を行うことができることが期待される効果の一つです。

また、eコマース市場全体の急激な伸びから、「新市場・顧客開拓」、「新チャネル開拓」など企業の成長性の面から期待される効果もあります。

それでは果たして、eコマースを実現するシステムを社内に導入・構築すれば上記の効果は得られるのでしょうか?

◆ eコマース導入の失敗事例

(1)業務効率ダウン

ある自動車の販売会社は、業務効率化を実現するために eコマース導入を検討し、専用のWebサイトを立ち上げました。営業から見積作成までの時間を短縮することで、業務の効率化を図るのが狙いでした。

導入後はその狙い通り、eコマースサイトから見積作成依頼の電子メールを多く受け取りました。しかし、各担当者は、時間をかけて、電子メールでのやり取りを行ったものの、結局、契約率は店頭販売よりも極端に低くなってしまいました。

(2)売上ダウン

ある電子部品メーカーは、売上の拡大を狙ってeコマース導入を検討し、販売サイトの運営を始めました。

この販売サイトでは、既存チャネル(店頭、カタログ)販売価格よりも3%程度の低価格を設定し、既存チャネルを利用している顧客を新チャネル(販売サイト)に変更してもらうための施策を併せて講じました。

しかし結局、既存顧客の混乱によりチャネルの切り替えが進まず、販売サイトの運営も滞ってしまう結果となりました。

◆ eコマース導入のポイント

「自社の強みを伸ばすような導入方法を検討する」

eコマースに失敗する企業の共通点として挙げられるのが、eコマースのシステムさえ導入すれば結果が出る(効率化され、売上が上がる)と思い込んでいることです。成功企業は、自社の強みを活かし、さらにそれを伸ばすための仕組みをeコマース上に展開しています。

例えば、上記(1)の失敗例で言えば、当該販売会社は実は対面販売に非常に強みを持っていました。競合と比較しても対面での制約率は非常に高かったのです。

しかし、システムの導入により、営業担当者が見積もり処理に追われるようになり、ひいては業務の非効率を招く結果となってしまいました。まずは自社のどこに強みがあるのかを調査・分析し、しっかりと認識した上でその強みを活かした運営をする必要があります。

「既存チャネルとの摩擦を回避する」

失敗要因としてよく挙げられるのが、既存チャネルとの摩擦です。例えば、既存チャネルとeコマースチャネルでの価格の差異、新製品投入タイミングの差異などがあります。

eコマースを展開する企業は、人件費がかからない分、同一商品でもeコマースチャネルで価格を下げることがしばしば見られます。それ自体は悪くないのですが、既存チャネルを利用している顧客からの反発があり、取引停止になるケースも見受けられます。

この対処方法としては、既存チャネルの特性(とそこに属する顧客の特性)を認識し、新規チャネルとの役割・棲み分け方法を明確にすることです。

例えば、既存チャネル(営業員販売、電話による販売など)は新製品と高価格製品に絞ります。新規チャネルは、既存チャネルで実績が証明された製品を価格を下げて販売する、などの明確な切り分けが重要になってきます。
eコマースの導入を検討する際には、「eコマースシステムはあくまでツール(道具)であり、それを活かす仕組みもあわせて作る」必要があるという認識 が必要です。

今回のテーマをきっかけとして、eコマースという切り口から自社の取引形態やその方法を俯瞰することで、自社の強みを再確認してみてはいかがでしょうか。
(この記事は2008年7月3日に初掲載されたものです。)