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リアル店舗とネットショップの相乗効果

過去にショッピングセンターさんのお手伝いをしていて、撤退を希望されるテナントさんと面談いたしましたら、このようなお話をお伺いしました。

「店舗の売上げが伸びなくなったのでネット販売をはじめました。そうしたらネット販売の売上げが伸びてきたので、そちらを中心にするために、店はやめます。」とのことでした。

このお話をお伺いしたのは、もう5年以上も前のことです。
当時は、なるほどそういう時代になったものだなあと感じました。

一方でこのような話も多数お伺いしていました。

別のショッピングセンターで、小規模の専門店さんが多数出店されていました。お店を拝見したところ、店売りだけではとても儲かっている様子には見えないので、お話をお伺いしたら

「お医者さん向けにMACを訪問販売しているが、店舗がないと信用されないため、どこかに店をかまえる必要があったため出店しました」

とのことでした。こういった例はいまでも多数あります。
このほかには、催事販売を主とされている方のご相談にも乗ったことがあります。

店舗とネットと外商、催事。売上が上がるのであれば、チャネルはどれでもいいのですが、私自身のお客様には、チャネルを偏らせないことを念頭に助言をいたしております。

ある食品メーカーさんでは、それまで卸売り主体だったのですが、直売店の開発をお手伝いしました。当初10年ほどは直営店が一番儲かったのですが、その後ネット通販にも参入され、売上構成比で1割以上になって収益も生み出してきました。そして歳時記ギフトの販売に力を入れた結果、現在では通販チャネルが収益の柱になってきました。

あるレストランでは、建物の2/3を店舗として活用して高収益店舗を作り出したのですが、のこりの1/3を工場にして、ネット通販でピザを販売して、売上げの伸びは通販のほうがよいです。そのうち通販主体にしたほうがいいのじゃないかと思うほどです。

商売には時流に応じた波というものがあり、常に販売チャネルは変化してゆきます。そのため戦略の転換は10年サイクルでは必ず必要になってきます。

高度成長期には大手メーカーはのきなみBtoCビジネスで会社を大きくしましたが、バブル崩壊のころからBtoBビジネスで狭い市場で一番商品を作り出すことが収益の柱になっている会社が増えてきました。ちょうどこのころ「選択と集中」などといった言葉が語られるようになってきました。
大きな市場の中で、成長期には5番でも6番でも収益は上がりましたが、市場成長が見込めないなかでは、小さな市場でも1番をとるほうが収益は上がるのです。
大きな市場は常に競合参入の脅威にさらされる市場ですし、比較的参入障壁の低い市場が大半です。一方で小さな市場で専門性を高めてしまえば、参入障壁は高くなり、競合企業や代替商品の参入を防ぐことができます。

中小企業においても状況は同じことで、いまの主力チャネルは、かならず将来においては主力チャネルではなくなってしまいます。仕入先にせよ、取引先にせよ、販売チャネルにせよ、いまの主力は将来の主力ではなくなってしまうのです。

先ほど事例として紹介した食品メーカーの同業他社さんは、卸売り主体というチャネル戦略を転換しなかった結果、売上が半減してしまったところが何社もあったとのことです。
「直営店を開発する」「通販に参入して主力チャネルに育てる」経営者の決断に、この2つがあったかなかったか、違いはたったそれだけでしかないのです。しかし、たったそれだけではない大きな違いという結果をもたらしたわけです。

我々コンサルタントは、商品や市場についてお客様より詳しく知っているわけではありません。しかし、このような戦略転換の事例や、どういった観点から次を予測するのかということに関してはプロフェッショナルとしての経験を積んでいます。

企業の将来、会社の10年後のあり方を考えられる上で、ぜひ一度お気軽にご相談いただければと思います。

山本 匡(ヤマモト タダシ)
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/ショッピングセンター経営・ディベロッパー経営 船井総研における店舗開発・物件開発の第一人者。大型ショッピングセンター開発を中心とした、店舗・物件開発を多数手がける。ビジネスモデル構築を得意としており、開発業務を支援するのではなく、成功する事業構築を支援することを信条としている。 実務面では、マーケティング調査から立地選定、建築・内装計画、レイアウト、運営計画、コストコントロール等、SC開発の実務に精通。地元主導SCにおける多くの経験をもとに、タウンマネージャーとして、地方自治体や商工会・会議所、TMOにまちづくり事業への助言実績も多数。専門店の店舗開発・リニューアルも手掛けており、店舗だけではなく商品開発でも成功事例多数。