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ヒトも店も、劇的に再生する

「企業として調子がよいが、この店の業績が悪い……」ならまだやりやすいのですが、「企業全体の業績が悪く再生したい」というときには、まずもってどこの現場に出向いても強烈な負のオーラを浴びることになります。こんなやる気のない状態では何をどうやってもうまくいかないのではないか……と、こちらがまいってしまうくらいです。

このような難易度の高い現場でこそ、「原理・原則」にのっとった活性化手法をとらねばなりません。
多くの組織で業績不振の原因が「ヒト」に起因していると誤解されがちですが、実はヒトほどきっかけ作りをすれば短期間に変化するものはありません。むしろモノを変えるほうが時間はかかります。

ヒトを活性化させて組織を活性化させることで、商品やサービスのレベルを上げて業績を改善できれば、それは理想的かもしれません。しかしそういった手法が可能な現場は限定的であり、中小企業の多くの現場ではヒトを説得して変革というのは現実的ではないといえます。

こういう場合は、「モノ=商品」を変化させることで業績を上げることが王道といえます。
モノが変化して足元の売上げが上がることで、ヒトの意識も変化します。

あるスーパーでは、季節ごとの重点販売商品を設定し、価格を見直すとともに、仕入先も見直しました。鮮魚は毎日売り切りに変更し、販売SKUを見直し、青果はばら売りアイテムを増やし、気温によって重点販売アイテムを変更いたしました。

そうしますと、客数売上げが上がるとともに、現場のスタッフのやる気がまるで「別人か?」とも思えるほどに大変化いたしました。

最初に訪れたときに鮮魚売り場でお話をお伺いすると、ものすごくやる気のないベテラン社員がつっけんどんな対応で「あんたら何しに来たんだ、うちはしょせんこんな店なんだよ!」という対応でした。

いろいろと対策を指南した上で半年後に訪問しましたら、同じ売り場で同じ方が満面の笑みをうかべて「昨日は鮮魚売り場が過去最高売上げを達成したんですよ」「今日はここまでチャレンジします」「これが仕掛ければもっと売れると思うんですよ」と、別人かと思うような生気のある顔つきで出てこられたのには、本当に驚きました。

売場の活気が以前より増したことも(想定内とはいえ)驚きでしたが、あのやる気のない鮮魚のチーフがここまでやる気が出るなんて、そちらのほうがはるかに驚きだったのです。

こういう劇的な瞬間というものは、コンサルタントという仕事をしていると経験できるものです。
もちろん、お手伝いする業種業態についてプロフェッショナルとなり、詳しく知りぬかないと、ここまでのことはなかなかできません。ハードルは決して低くはないですが、見事に再生のお手伝いができたときは、達成感や充実感ではなく、むしろ安堵します。

その道のプロになり、原理原則どおりに仕事をすすめることができれば、ヒトも店も劇的に再生は可能です。

山本 匡(ヤマモト タダシ)
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/ショッピングセンター経営・ディベロッパー経営 船井総研における店舗開発・物件開発の第一人者。大型ショッピングセンター開発を中心とした、店舗・物件開発を多数手がける。ビジネスモデル構築を得意としており、開発業務を支援するのではなく、成功する事業構築を支援することを信条としている。 実務面では、マーケティング調査から立地選定、建築・内装計画、レイアウト、運営計画、コストコントロール等、SC開発の実務に精通。地元主導SCにおける多くの経験をもとに、タウンマネージャーとして、地方自治体や商工会・会議所、TMOにまちづくり事業への助言実績も多数。専門店の店舗開発・リニューアルも手掛けており、店舗だけではなく商品開発でも成功事例多数。