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オムニチャネル戦略、小売企業・ネット企業それぞれの課題

オムニチャネル戦略推進のアプローチは主に2つ。ダイナミックに考えて3つあると思われます。

それは
【1】小売企業がネット販売その他を強化しつつ、配送・受け取り方法の多様化を図るというケース。【2】ネット企業が小売販売も本格的に展開しつつ、配送・受け取り方法の多様化を図るというケース。【3】小売企業がネット販売企業をM&Aで融合させつつ、配送・受け取り方法の多様化を図る、もしくはネット企業が小売企業をM&Aで融合させつつ配送・受け取り方法の多様化を図る。
の3つです。

これらの推進はトップの強い意志が必要になります。また真のオムニチャネル戦略を推進させるために、組織とその機能の役割と連携のため、責任者に十分な権限を与えるということが重要になります。従来の仕事の流れや発想からではスピーディな事業展開はとても難しいと思います。小売企業がネット事業の思想を受け入れるということ、ネット企業が小売企業の思想を受け入れるということはトップの号令のもと、社員の納得なしには進まないからです。

そもそも小売事業とネット事業はビジネスモデルと収益性がまったく違います。成長率や収益性から考えると有利なのはネット事業です。小売事業はネット事業に侵食されていることもあり低成長または売上減少という状態となっています。特に小売事業で重傷なのは巨大な店舗を立ち上げている大手です。大手ほどゼロベースから驚異的な成長率で売上獲得するネット企業に販売チャンスと売上を奪われてしまっています。

ここでいう大手は巨艦店を有し大商圏型で購買頻度の低い商品を販売していた百貨店のようなタイプ。さらに中小圏から大商圏型で購買頻度の比較的高い商品を中心に幅広い需要を獲得していた総合スーパー型の企業ですが、まさに取られ放大の状態となっています。これらの企業がこれはいけないということでネット事業に取り掛かっても巨大な売上を獲得してきた自負からネット事業は片手間になりがちです。

困ったことに立地の優位性や店舗規模の優位性で集客し補充発注型で商売をしていた関係から案外商品知識や新しい販売方法にチャンレンジする柔軟性を持った社員も少ないという弱点があり、形だけWEBサイトを作ってもいまひとつ魅力のないビジネスとなってしまうケースが多いようです。また店舗・販売員への投資は何千万でも平気ですが、形がつかみにくい不得手なネット事業への投資には1千万~2千万とても慎重でと言う笑い話のような状況が当たり前のように見受けられます。

逆にネット企業が小売りを手掛ける場合、ネット同様に収益管理をしようと思っても科学的にどう売上=立地、集客を読めばよいかがわからないということ、投資効率が悪いように感じることから、なかなか事業拡大に踏み切れないというケースが多いようです。その状況でどうしても出店しなければとなりエイヤッと型の出店となると急に気前がよくなりデザインや話題性重視の“過剰型店舗”を作ってしまい、投資の割に利益が出ないという泥沼となるとことが多いようです。これが今の日本の現状です。冷静な全体戦略が必要だと思います。

岡 聡
株式会社船井総合研究所 執行役員 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/流通業(メーカー・卸・小売)向け
入社以来、アパレルメーカーでの企画・製造・小売の総合的な知識に船井流マーケティングをドッキングさせ、ドラッグストア、ホームセンター、商業施設・商店街、食品スーパーなどの小売業の活性化、メーカー戦略、ブランド開発、商品開発、チャネル開発、新業態開発、営業部隊活性化、本社戦略・営業システム開発、マーケティング教育などをトータルに企画・コーディネートし、企業の経営企画をサポートしています。(経済産業大臣登録 中小企業診断士。日本商工会議所・全国商工会連合会 1級販売士。)