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コンビニ業界の戦略からみえる次のビジネスとは?【2】

◆高齢化による商圏構造の変化
全体に低調な小売業界の中で、数少ない成長業界であるコンビニエンスストアですら経営統合を進めていく背景には、高齢化による商圏構造変化の影響があると考えられます。以下のグラフは「2016年版中小企業白書」に掲載されているものですが、65歳以上の高齢者比率が増加し、生産人口が減少していく流れが鮮明になっています。

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出所:中小企業庁 2016年版中小企業白書より

加えて、国民全体の高齢が進み、消費が成熟している現在、多くの商品が「どこで買っても同じ」という状況になりつつあります。アマゾンを筆頭としたweb通販市場の拡大も、利用者が商品に対する一定の信頼性を持っている現在だからこそ、勢いがついていると言えるでしょう。同じ物だから買い物をする人が自分自身にとってより利便性の高いルートで調達しようとすることに対応するものがオムニチャネル化といわれているものです。

当然、自宅からの距離は利便性に大きな影響を及ぼします。高齢者が車の運転に不安を持つようになると、免許の返上などを通じて交通弱者になっていきます。そうなると、活動量も減少していきますので、移動距離が少なくなり、遠くの店舗にわざわざ出かけていくことが少なくなっていくでしょう。移動距離縮小に伴い、足元800mが基本商圏のコンビニエンスストア、手元ですぐに購入できるweb通販が拡大していく可能性があります。

さらに行政機能、荷物の受け取りサービスなどの付加が、利便性を拡大していくことを考えると、コンビニエンスストアの役割が拡大していく可能性は大きいものと考えられます。また、近くて便利に加えて、どの店舗ブランドを選ぶのかがポイントになりますので、各社が個性を主張するだけではなく、露出による認知をさらに獲得するためにエリアドミナント形成を急ぐのは当然のことでしょう。

優れた強者同士の戦いから学ぶことは非常に大きいものと思われます。日本国内は精度の良いデータが数多く存在しますので、データを軸として外部環境変化を読み解いていくと、さまざまな仮説が生み出せます。今後もコンビニエンスストア業界の動向には注目していきたいと思います。

中野 靖織
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/2世育成のための経営戦略ノウハウ・事業承継
戦略の立案から展開、定着まで、経営全般にわたり幅広いコンサルティングフィールドを持つ。主にコンシューマー向け企業の現場における具体的な活性化業務に従事し、メーカーの営業戦略立案、展開サポートに多くの成功事例をもっている。 JRCA登録QMS審査員補。