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暖冬だからって関係ない!在庫管理の考え方を見直そう!

暖冬の影響が色々な業界から聞こえてきますが、皆様のビジネスではいかがでしょうか。初詣に行かれた方がマフラーをはずしてしまう、コートを手に持っている等の映像がニュースで流れるほど、1月月初でも寒くならない状況が続いています。そのため、冬季商品のウエイトが大きい小売業の方々は、年内から年始販売で苦戦された方が多く、前年売上を下回る店舗が続出されたご様子です。経済産業省の商業動態統計平成27年11月速報を見ると、商業販売額は前年37兆6450億円で同月比1.7%のマイナスとなったそうです。

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出所 経済産業省平成27年11月分商業動態統計速報

11月段階では「12月の降雪に期待」というセリフがあちこちで聞かれましたが、12月に入っても雪が降るどころか暖かい日が続くという状況でした。
燃料、暖房器具を取り扱っている方々は、ストーブなどの暖房用品が動かないだけではなく、原油価格の影響で灯油が安くなっている上に売れないという厳しい状況にさらされています。冬季用タイヤについても、雪が降っていないことの影響が大きく、カー用品大手のオートバックスセブンの2016年1月8日IR資料によると、2015年12月度の前年同月売上は既存店ベースで▲20.7%、全店ベースで▲20.1%となっています。

その中で、減少要因については、「全国的に温暖な天候が続いたことが影響し、スタッドレスタイヤの売上が前年を大幅に下回った。また、スタッドレスタイヤが低調だったことに伴い、セット販売しているホイールも売上が減少」と記載されていました。長きに渡って冬季商品で戦ってきた業界でも、気象というアンコントローラブルな外部環境変化を読み込むのは極めて難しいものです。季節商品の在庫を持っていなければ勝てないことは事実なのですが、仮に在庫分を現金で銀行に預けていたとするならば、少なくとも期間中の金利を獲得することができます。日本人は「節目」を大切にするため、旬が過ぎてしまうと「我慢する」「買わずに済ませる」といったことが多くなります。

そのため、季節商品が売れていない小売業で店頭価格を下げて処分しようとしても、ニーズが弱くなっているので反応が鈍く動かない、つまり商品が利益に変わらないという状況が続くことになります。このように、売場やバックヤードで徐々に劣化していく在庫は、最悪の場合仕入れ原価を下回って処分しなければならないケースや廃棄ロスも発生するリスクがあるため、「動かない在庫は眠っている資金以下」と言われています。つまり商品投資は大きな経営判断であり、どうすれば最小のリスクで回していくことができるかということを常に意識しておくことが大切です。

在庫全てが悪いのではなく、動かない在庫を持つことが悪いと考えると、不良在庫の多くは人災と言えるでしょう。アンコントローラブルな状況は別として、コントローラブルな在庫管理を徹底し、投資効率を高めていくことが、モノが売りにくい次代には必須です。日々の業務の中で、在庫に対する考え方を全社的に見直していくことが必要とお考え下さい。