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収益をあげるための接客

今回は売場において大切な「接客」をテーマにお伝えします。

「重点商品を販売する仕組」、一つの商品を全スタッフで販売する「集中販売」、プラス一品販売をするための仕組である「関連商品の併売」が大事だと言われております。
もちろんこれらの施策は店舗の収益性を向上させるために有効な施策ではありますが、小売業の基本であるお客様への挨拶や声掛けというような最も「基本的な接客」ができていなければ、本来の効果を発揮できなくなります。

「基本的な接客」には以下の2つがポイントとしてあげられます。
1.接客マナー
 挨拶・身だしなみ・態度など
2.接客スキル
 商品知識や販売キーワードの習得

まず1の接客マナーですが、挨拶や身だしなみを整えた程度で売上が上がるはずがないと思われる方も多いと思います。
ところが、実際には上がるのです。
ある百貨店では販売スタッフに笑顔研修しただけで売上が30%アップし、野球場のスタンドにいるビールの販売スタッフは、笑顔や元気が良いスタッフの売上が良いのです。
自分が買い物をするシーンを考えてみるとすぐに気づくことですが、愛想の良さそうな販売員や、元気のよいスタッフを探しますね。
つまり、元気の良い挨拶や笑顔、身だしなみといった基本的なことが、「その人から買おう」という能動的な意思決定を促進するものなのです。

挨拶や身だしなみといったことは、生活習慣の一部です。
そのため、日々の業務の中で本人が意識しないと、トレーニングする前の状態に戻ってしまいます。
マネジメントする立場にある方は、放置してもできるようになるまで毎日言い続けなければなりません。
上司が諦めた瞬間に元の木阿弥になりますので、部下との根競べのようなものですね。
できない事実が改善されるまでは、「くどい」と思われようとも言い続けていくことが必要です。

次に、2の接客スキルについてですが、商品知識・接客経験が不足していると、スタッフが接客に対して尻込みしてしまうことが多いものです。
このようなお店で見られるのは以下のような悪循環です。

(1)業務を通じたOJTだけでは、十分な商品知識が身に付かない。
(2)商品知識が不足しているため、接客に尻込みをする。
(3)接客に尻込みをするため、接客の経験値が上がらない
(4)接客経験値が不足しているため、更に尻込みをする。
(5)接客を行なわないことが常態化する。

(1)~(5)の悪循環を繰り返すことでお店の販売力が低下し、結果として売上が減少します。
販売スタッフの性格なども影響しますが、基本的には接客スキルが不足する状態は、「商品知識」を修得させる仕組みの弱さがボトルネックになっているケースがほとんどです。
労働基準法の遵守が問題になる昨今、就労時間外に教育するのは難しいものです。
加えて、そもそもコスト削減の影響でスタッフが少ない小売業も多く、その時間を店頭作業に充当したくなる責任者も多いことでしょう。
だからこそ、現場では短時間で簡単にできる商品知識教育が望まれています。
例えば、朝礼・終礼時を利用して短時間(10分程度)で実施すると、接客トレーニングによる業務負荷を増やすことなく、実行できます。
この時間に、ショートロープレなどの擬似接客トレーニングを行なうことも難しいことではありません。

以下を参考に、自店にあった対応を検討いただければ幸いです。

(1)販売キーワードを覚える
  売場担当者が中心となり、「重点商品の特徴」を説明する。
  (キーワード程度の簡易で覚え易い内容に留める)
(2)成功事例から学ぶ
  高額品を販売した担当者や優秀なスタッフが成功事例を説明する
(3)ロールプレイング
  接客経験が少ないスタッフには、ロールプレイングにより接客をトレーニングする

売場のセルフ化が進む小売業においては、合理化を優先するがゆえに、手間隙のかかる接客改善の優先順位が低くされてきました。
しかしながら、消費が低迷していく昨今では、お客様との接点を強化していかざるを得ません。
流通・サービス業界をライフサイクルの視点から見ると、“セルフ化によるスケールメリット獲得”から、“接客(人間)力強化による顧客ロイヤリティ獲得”へと時流が変わってきています。

まさに商売の原点回帰といえるのではないでしょうか。
(この記事は2008年5月19日に初掲載されたものです。)