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フルカスタマイズ可能な戦略のフレームワーク

こんにちは。船井総合研究所の濱野雄介と申します。

今回は「戦略のフレームワーク」についてお話ししたいと思います。「戦略」という言葉は不思議なもので、なにやら難しそうで、大げさな印象を受けてしまいますが、皆さんは「戦略」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?経営学部出身の方は、ポーターのIBV(産業構造分析:Industrial Based View)やバーニーのRBV(経営資源分析:Resource Based View)を思い浮かべるでしょう。歴史が好きな方は、孫子やクラウゼヴィッツあたりでしょうか。
最近では、ポーターやバーニーに象徴されるような戦略論は所詮机上の空論だとか、実践では役に立たないだとか、後付けの論理だとかいった議論も多くなされているようですが、ビジネススクールを中心として議論されている戦略論のフレームワークが役に立つか否かについては、議論すること自体がナンセンスだと私は考えています。
なぜなら、コンサルティングの現場においては、戦略構築の全ての過程において、クライアントに合わせてフルカスタマイズする必要があり、ゼロベースで考えることが要求されるため、一般的に論じられているような戦略のフレームワークがコンサルティング案件に役立つかどうかという視点で考えることなど皆無だからです。

しかしながら、クライアントの現状を把握するフェーズにおいては、さまざまなビジネス書のネタとして既に使い古されているフレームワークを使用するケースは多々あります。
例えば、先に述べたIBVやRBVも含め、3Cの視点やマーケティングの4P、SWOT分析などは、論点をモレダブリなく整理するには非常に便利なツールといえるでしょう。

外資系のコンサルティング会社は、マッキンゼーの7Sのように、論点を整理するために、独自のフレームワークを使用して様々な事象を体系的にまとめることが得意なようですが、実は、戦略構築のためにフレームワークを組むことは、それほど難しいことではありません。

以前、あるメーカーのプロジェクトで、私はマッキンゼーの7Sを真似て、「販売戦略の7S」というフレームワークを考えたことがあります。
フレームワークの作り方は極めてシンプルで、誰でもできるのでご紹介しておきましょう。

STEP1:紙にビジネス上のステークホルダーを全て書き出す
STEP2:ステークホルダーを線で結んでどのような関係にあるかを整理する
これだけです。

【参考例】

<メーカーA社>―――1――→<営業マン>
↑            |  ↑
|            2  3
|            ↓  |
7           <販売店>
|           | ↑ ↑
|           4 5 6
|           ↓ | |
―――――――――<エンドユーザー>

1:営業マンの効率的営業活動を支えるしくみ(営業活動管理ツール)
2:営業マンが販売店に売りやすくするためのしくみ(プレゼンテーションツール)
3:販売店がA社の商品を取り扱いたくなるしくみ(受発注体制、販売マージン)
4:販売店がエンドユーザーに売りやすくするしくみ(販売手法、販売ツールの提供)
5:エンドユーザーが販売店に集まるしくみ(各種広告・販促活動)
6:エンドユーザーが販売店に行ってA社の商品を選ぶしくみ(MD、売場づくり)
7:エンドユーザーがA社の商品にロイヤリティを感じるしくみ(ブランド戦略)

以上のように、7つのしくみに基づいたフレームワークなので、これを勝手に「販売戦略の7S」と名づけました。(多少無理がありますが)
このように、営業マン、販売店、エンドユーザーのそれぞれに対し、メーカーとしてどのようなアプローチをすべきかを検討し、販売戦略全体を構築していくと分かりやすいでしょう。

<参考>
IBV、RBV(参照:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー2001年5月号「戦略論の進化」)
3C(Customer、Competitor、Company)
4P(Product、Price、Place、Promotion)
SWOT(Strength、Weakness、Opportunity、Threat)
7S(Strategy、Structure、System、Style、Staff、Skill、Shared Value)

濱野 雄介
船井総合研究所 プロジェクトマネージャー