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市場創造を考える~アベノミクスがもたらす影響~

日本国内では衆議院選挙が終わり、自民党は改選前の293議席から291議席、公明党は4議席増の35議席で、全議席の3分の2を上回る326議席を獲得しました。
アベノミクスによる円安で輸出企業にメリットが出ている部分もあるとは思いますが、国内メーカーはすで海外移転をしていますので、中小製造業にとっては原材料が高騰する中、値上げができないため仕事があっても実質利益が低下するリスクが高まっています。
大手企業はある程度潤う状況ではありますが、雇用の多くを占める中小企業にとっては未だ個人消費に貢献するほどの給与上昇は難しいと考えられます。
家計的には、食料品やその他の輸入品が値上がりしますので、景気回復を感じられない状況が続いています
今回の選挙の投票率は戦後最低となりましたが、有権者の関心が薄いのではなく、消費税増税先送りはどの政党でも同じでしたし、景気回復策等に対する政策的な差が見えにくかったことが影響しているような気がします。
出口が見えなくなってくると色々なことを諦めてしまいがちですが、有権者として何かを変えられるという期待を持てる政府であって欲しいものです。

有権者、つまり多くの消費者が景気回復の実感が持てないということは、「モノが売れていない」という解釈もできます。
生活用品を主に販売している住関連小売業では、従来取扱品市場の増税駆け込みダメージをカバーするために、第二の柱分野を模索していますが、業界トップ企業が苦戦する姿を見ることが多くなりました。
家電量販店を代表するヤマダ電機では、住宅関連事業の強化策を打ち出していますが、大きな成果を出しきれるレベルではないようです。
カー用品業界を代表するオートバックスセブンは、用品販売から整備、点検、車両販売という総合化を進めていますが、元々のアフターマーケットの柱であったカーナビゲーションの単価ダウンの影響をカバーしきれていない様子です。

このように成熟している小売業では出口が見えにくくなっていますが、セブン&アイ・ホールディングスが牽引しているコンビニエンスストア業界では、市場創造が実現されています。
例えば、セブンカフェは「自動販売機市場」「缶コーヒー市場」を侵略したと言う方もいらっしゃいますが、セブン&アイ・ホールディングスの顧客分析によると新規利用者を獲得した市場創造だそうです。
自社のお客様をしっかり見つめ、彼らの利用動機を考え、望まれる商品、サービスを検討し続けるという姿勢が、自社にとっての新たな市場を創造するという流れは常に同じです。

「株高円安」といった外部環境は、原油安などの国際情勢で大きく変化していきます。
外部環境に適応する努力は当然ではありますが、自社の原点をきちんと認識し、ぶれないスタンスを持ち続けることが必要だと思います。
実施した取り組みによって明確な成果が出せれば幸せですが、短期間で結果が出せずとも、自社の原点を見据えた努力を続ける姿勢を持ち続けたいものです。