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効果的な販売促進活動の取り組み方[マーケティング戦略・営業戦略]

私どもの現場コンサルティングにおきまして、販促に関するご相談は数多くあります。
販売促進活動を実施していく場合には、何のための活動なのかを明確にして取り組むことが必要であるとよく言われていますが、きちんと取り組んでいるケースは思いのほか少ないものです。例えば、店舗で取り組む販売促進の究極の目的は、商品販売を通じて顧客との緊密な関係を構築することにあり、表現する内容がそれをしっかり意識して作られていなければ意味がないと言えるでしょう。また、自分の店舗が今後どのような方向を目指しているのかという戦略を理解して取り組むことも必要になります。ところが販売促進の実務担当者は、「当たりネタ」を作ることに集中しており、それによって中長期的に達成されるべきものを意識していないケースがほとんどです。担当責任者としては、現場から「集客」や「売上」といった即時的な効果によって評価されることが多いため、技法に走りがちになることは、ある部分しかたのないことかも知れません。しかしながら、店舗や企業のブランド価値を長期的に育成していくためには、刹那のプロモーション効果だけを考えていては本来のブランディングができなくなります。ピンポイントで当てることも大切なことではありますが、むしろ販売促進を組み立てる背景や思想の確立が重要なのです。全社で達成していくべき戦略を前提としつつ、目先の売上や利益を達成していくという高度な取り組みが最近のホットな話題と言えます。

【ターゲッティングで企画が変わる】
全社戦略と目先売上を両立させる上では、商品や売上を支えてくれる顧客を明らかにするターゲッティングが重要です。催事には色々なパターンがありますが、成功するためには呼びたいお客様をはっきりさせることです。全部の客層を対象にしたくなるのは心情的に理解できますが、それでは効果的な集客イベントや催事を企画することは難しいのです。最近のカーディーラーの催事が変
わってきたことにはお気づきでしょうか?家庭内で父権が強かった時代は、訪問販売を中心として決定権者である「お父さん」をターゲットにしていれば済みました。当時は、車種やバリエーションも男性的で、機能中心のアピールがされていたことを記憶されている方も多いと思います。ところが最近は、女性客の発言権が強くなり、家族で決めるケースが多くなっています。我が家もそうですが、「奥さん」が同行、納得してくれないと決められなくなっているのです。当然、店舗における集客イベントはこのような要素を加味していかざるを得なくなります。あるディーラーのチラシ企画に、「来場記念プレゼント、北海道産じゃがいも三kg!」という企画がありましたが、「じゃがいもが欲しくて車を買う顧客なんていない」と思った方はすでに頭が固くなっている証拠です。夫婦やファミリーが来場しやすいムードを作り、女性客に「同じ行くならココがイイ!」と思わせることで、カップルやファミリー客の来店を増加させることになり、結果的に購買チャンスが拡大するのです。この傾向は新車イベントに限定したものではありません。トヨタを筆頭に、最近のカーディーラーでは車検獲得イベントも盛んに実施されていますが、基本的に同じアプローチをしていることが多いことにお気づきでしょうか。例えば、あるディーラーでは、商圏内に軽自動車の保有が多く、女性客の取り込みが大きなポイントになる地域であるため、「子供を持ち、通勤に軽自動車を使用している客層へのアピール」を意識して組み立てています。このように、小売業・サービス業においては「自分の店にどのようなお客様を呼びたいのか」を明確にすることが重要になります。よいと思った企画をマネることは、効果的ではありますが、その背景にある「自分達が呼びたい顧客」がどのような人なのかを自社に翻訳できなければ意味がありません。「なぜそのような顧客を呼びたいのか」という部分まで踏み込んで検討することがポイントになります。

中野 靖織
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/2世育成のための経営戦略ノウハウ・事業承継
戦略の立案から展開、定着まで、経営全般にわたり幅広いコンサルティングフィールドを持つ。主にコンシューマー向け企業の現場における具体的な活性化業務に従事し、メーカーの営業戦略立案、展開サポートに多くの成功事例をもっている。 JRCA登録QMS審査員補。