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既婚女性にクリスマスの提案

■既婚女性に「女子力アップ」の提案して、どうするの?
夏のドラマ枠が刷新され、某テレビ局では、既婚女性の不倫をテーマとしたストーリーが展開されている。このようなテーマは、ラブストーリーのプロット上、よく目にするテーマであるし、新鮮味も欠ける。そう、ノンフィクションだから。と言っても、筆者自身、「不倫」をテーマにした作品や、現実世界で、その行為そのものを推奨しているわけではない。

1年ほど前、靴製造卸を本業としている会社のWEB販売部門から、収益強化の依頼があった。取り扱い商材は靴量販店でよく見られるケミカルシューズであり、中心価格は2,900円~3,900円の低価格商品である。
小売業が本業ではないが、その会社は独自に勉強し、年間販売計画などを作成し、その計画を粛々とこなす事で一応の成果をおさめていた。MDおよび販促の計画も社員が自立してやっており、マネジメント体制の見直しをする必要が初見では見られない。

そこで、売れ筋商品ランキングを見ていると二つの事実が判明した。

【1】売上上位商品のほとんどが3センチ以下のローヒールで、「ぺたんこ靴」が上位を占めていた。(SEOの担当者からも「ぺたんこ」の検索が多く、検索上位を維持すべく、「ぺたんこ」をキーワードとしていた。)

【2】顧客フォローの担当者(コールセンター)から、どのような顧客からの入電が入るか?を確認したとこところ、電話口の後ろで赤ちゃんの鳴き声や、子供のはしゃぐ声が聞こえてくるとの情報を得た。

この二つの事実から中心となる顧客は、既婚で低年齢の子供がいる主婦であることがわかる。しかも、実店舗ではなく、通販で靴を購入するくらい、家事に子育てに、もしかしたら仕事に忙しい主婦である。年齢としては、30代中頃から40歳くらいであろうか?

そこで、販促計画を見直すと、そこには驚愕の文字があった。

■「クリスマスデートはプチプラエレガンス!」
何たる女子感?別に子供を両親に預けて、たまには配偶者とデートしても構わない。だが、この行動は中心購買者の一般的な行動なのか?

販売計画は一般的な小売業のモチベーション通りとなっている。つまりは、店舗の顧客には大して意味の無いイベントがあり、重要なイベントが抜けているのだ。一風、順調であった店舗運営も、この事実が発覚したことにより、【1】MD、【2】売場、【3】販促の3つの要素を大変革していくことになった。

最初に注力したことは、店舗の「ペルソナ」を設定したことだ。ペルソナとは直訳すると、演劇で使われる「仮面」であるが、ペルソナ・マーケティングとは、ペルソナと呼ばれる架空の個人情報を持つユーザーを設定し、ペルソナ視点で、商品やサービスを設計する手法である。

ペルソナを設定することによるメリットは大きく2つある。
【1】店舗運用担当間で共通の認識ができ、業務がスムーズに行うことができる。
【2】顧客を絞り込むために、ヒット商品が生まれる可能性が高くなる。

特に、店舗運営におけるマネジメント体制強化には、【1】の影響は大きい。前回のコラムでもアイデアや企画を練る際には、制限を設けた方が良質な結果を得る可能性が高いと言及した。
この会社の場合も、ペルソナを設定することにより、大きく変革した。店舗のコンセプトが「モテ」から「非モテ」に変更し、より家庭に密接したビジネスモデルに移すことができた。この会社で顕著に効果が出た事例は「七五三」である。子供を抱える家庭で、しかも写真撮影がある。「独身時代の靴は時代遅れだし……、子供を抱えてヒールは履けない……」という主婦に、「七五三はぺたんこエレガンス」を提案することにより、高い反響を得たのだ。

ペルソナを設定し、マーケティング活動に縛りを与えることは、ビジネスに一貫性ができ、担当者も迷わなくなる。ペルソナの設定はB2Cだけでなく、B2Bでも有効である。今、一度、自社の提供する商品・サービスのペルソナについて、関係者で協議してみてはいかがか?