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「パズドラはなぜ大ヒットしたのか~ヒットに導いたパズドラの9つの秘密~」

何を今更……という感は否めませんが、
改めてガンホー社の大躍進の立役者になったパズドラヒットの理由について考察してみたいと思います。

本記事の内容は、「これまでに各メディアで展開されていた様々な考察のまとめ」と
「私の主観」が織り交じったものになっております。あらかじめご了承くださいませ。

さて、パズドラのヒットについて考察するにあたり、
今回は大きく「戦略的視点」と「戦術的視点」に分けています。

戦略的視点とは、マクロに捉えた際の視点と考えてください。
ここでは、そもそもパズドラという企画を、どういった経緯・意図で進めていったのか、
という認識で結構です。いわゆる基本コンセプトのようなものです。

戦術的視点とは、戦略的視点に比べてより具体論に近い視点になります。
今回は、パズドラの開発を、どのようにして進めていったのか、と認識してください。

それでは早速まとめていきたいと思います。

【戦略的視点 4つのヒットの要素】

【1】マーケットの大きな要素を全て取り入れた

マーケットが大きい(≒プレイユーザー数が多い)要素を全て取り入れたのがパズドラです。
例えば、“ダンジョン”、“パズル”、“バトル”、“コレクション”などは、
全てプレイユーザーの多い人気ジャンルです。これらの要素を全て取り入れれば、
対象客層も広がるということです。幅広い客層を相手にすることができれば、
その分ヒットしたときのインパクトも大きくなります。

【2】対象客層の拡大

【1】が、ユーザーセグメントをジャンルで切り分けたのに対し、
こちらは「購買経験」に着目したセグメントになります。
携帯ゲーム・TVゲーム問わずたくさんゲームをする、
いわゆる“ヘビーユーザー”以外にも、“昔はゲームしていたけど最近は
ゲーム離れしている層”や“全くゲームもやったことがない層”も狙ったということです。
つまり、コンセプト設計としては、ゲームを全くやったことがない女性等も対象にしているため、
“簡単なゲーム設定にする”ということがここで決まったわけです。

【3】ワンソースマルチメディア

(これは初めから検討していたかどうかはわかりませんが)スマホだけでなく、
ニンテンドー3DSなど、媒体を変えて色々な形で楽しめる設計にしたということです。
人気を一過性のものにすることなく、あらゆるチャネル・媒体との接点を持つことを
意識しているようです。媒体やチャネルが変われば、
アプローチできる客層も大きく変わっていきます。

はじめから対象セグメントを広げているからこそ成せる方法です。

現在は最後の刈り込みとして、嵐をイメージキャラクターに起用し、
“ユーザーを1人残らず搾り取ろう”という意図が見えます。

【4】逆張りの発想

これまでのゲームの基本概念・常識の逆をとったということです。
例えば、細かい話になりますが、パズルゲームのマス数が挙げられます。
これまでのパズルゲームの主流と言えば7×6マス以上でしたが、
パズドラではこれを6×5マスにしています。

もちろんこの設定は、全ユーザーを対象客層にしているからこその決断でもありますが、
これまでにない逆張りの発想を常に持っていたということです。

さて、ここからは戦術的視点によるヒット要素です。

戦略的視点により、パズドラの基本コンセプトが決定した後の段階です。

つまり、どのようにして開発を進めていったかということです。

【戦術的視点 4つのヒットの要素】

【1】敷居を低くする

対象客層を広げたからこその発想で、基本的に課金しなくても
延々とプレイできるような設計にしたということです。

もちろんビジネスなので課金も必要ですが、
あくまでも課金はゲームの進行には直接的に関係しない部分に限定しています。
課金と聞くと、多くのユーザーにとっては敷居が上がってしまい、
一気に対象客層が限定されてしまいます。
うまく“プレイ障壁”を下げたということです。

【2】囲い込みをしない

プレイする際に、初期無料会員登録などをしないことで門戸を大きく広げました。
つまりこれは、一番最初にプレイする際の心理的障壁を解消したということです。
囲い込みをしない代わりに、各SNSへの導線設計を充実させて、
拡散を意図的に誘発させるなどをして、1人のユーザーを囲うのではなく、
多数のユーザーへの紐付きを重視したということです。

【3】素人の意見を取り入れる

対象客層が幅広いため、ユーザビリティ設計は基本的に
素人目線(=ゲームを全くやらないような人)を中心に進められました。

細かい話をすると、パズルゲーム多くの場合“1マス移動”が主流ですが、
パズドラでは素人の方の動作に合わせ“縦横無尽に動かせるよう”に設計しました。
開発の裏には、とにかく素人のユーザーテストを重ねた経緯があるようです。

【4】利用シーンを細かく設定した

例えば、スマホゲームの多くは電車などの移動中に行われるケースが多いのは言わずもがなです。
そのような利用シーンを事細かにイメージしながら開発を進めたようです。
例えば、通勤中、吊革に捕まりながら片手でもプレイできるよう
縦型の画面設計にしたなどが代表例です。

【5】定期的にバージョンアップ(離反率の低減)

ゲームの内容が変わらなければ当然、離反率は増加します。
パズドラでは、特にこのことを重視して、ユーザーを飽きさせないように
定期的にブラッシュアップを行いました。

新ダンジョンを用意したり、新しい武器を導入したり、
新モンスターを登場させたりなど。これにより、習熟度が上がったユーザーをはじめ、
ヘビーユーザー層の離反率軽減にもつながりました。

以上、パズドラがヒットした理由をまとめてみました。

もちろん、視点はこれ以上にもたくさんありますし、
切り口を変えればいくらでもヒットの要素は出てくると思います。

我々のようなコンサル畑にいる人間にしてみれば、
このような商品の大ヒットした要素を因数分解して、
その他の商品・サービスにも水平展開できるか否かで、
その存在価値が問われていくのだと思います。