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本当に顧客の要求を理解していますか?

私どもの現場コンサルティングにおきまして、ISOに関連する項目に関するご相談をいただくことも数多くあります。
今回は顧客要求事項に関するご相談をいだたいたときにご説明した内容を元に、この項目を整理していきたいと思います。

ISO9000:2000の全体フレームには、インプットとしての「顧客要求事項」とアウトプットとしての「顧客満足」が明確に規定されています。
流通・サービス業の現場では、顧客満足に関する話題は尽きないものなのですが、プロダクトアウト型の発想が多く、「こうすれば満足してもらえる」というアプローチだけで、そもそも「顧客が何を求めているのか」という視点が欠落しているケースが目立ちます。

メーカーの商品開発がプロダクトアウト型からマーケットイン型に転換しなければならないと言われて久しいにも関らず、現実の販売現場ではまだまだ徹底しきれていないのが実情です。裏を返すと、現場では顧客に対して様々な対応に取り組んではいるものの、自己満足的サービスや演出になっている可能性を常に秘めていると言う事もできます。確かに、実施されている取り組みは一部の顧客からは評価をいただいているかも知れませんが、それは本来顧客が企業や店舗に期待しているもの以外の取り組みをしているだけかも知れません。

流通業からサービス業まで、多くの方々が実施している顧客満足に対する取り組みは、本当に自分達の顧客からの要求を前提にしているものだと言えるでしょうか?一般論として「こうするとよい」というような取り組みや、「他社では好評な取り組みらしい」というものを、背景思想を理解することなしに、見える行為だけを模倣するような対応になっていないでしょうか?つまり、自社に対する顧客思考(顧客の考え方や思い)を踏まえた、自社の顧客満足を生み出す活動になっていないという危険性を常にはらんでいるということを意識しておくべきなのです。顧客思考を対応可能な限り吸収し、現場の取り組みに反映する仕組みなしに、真の顧客満足は得られないと言えるでしょう。

特に流通・サービス業は、顧客との緊密な関係を構築することが最大のポイントであることは、以前にもお伝えしました。しかしながら、実際の顧客思考の収集に注力しているのはメーカーの方が多いのが実体です。本来は、顧客との接点が最も大きい流通・サービス業の方が強くあるべき部分なのですが、資金的あるいは時間的余裕の関係か、現場からの顧客思考の吸い上げを徹底されている企業は
残念ながら多くありません。また、収集努力をされている企業は増えてはいますが、大切なことは収集した情報に対するフィードバックの仕組みを構築することです。収集した顧客思考をデータベース化し、現場へ反映・還元する仕組みまで構築すること、つまり、顧客思考を反映した内容を、現場における行為・行動の展開~定着レベルまで整備し、企業の仕組みとして組み込むようにしていくことがポイントになります。

顧客を個体として認識して、それぞれに可能な限りベストな対応をする顧客識別マーケティング(One to One Marketing)や、顧客の購買行動を分析し、購買パターンから顧客を掌握し、業績につなげるCRM(Customer Relationship Management)に対する取り組みが多くの企業で取り組まれつつありますが、現場レベルでの展開~定着を仕組みとして整備しきれているケースはまだまだ少ないようです。

小売業による「天の声カード」や「店頭アンケート」から、インターネットを利用したユーザーアンケートまで、顧客の声を吸い上げる方法はたくさんありますが、散文的に収集しても顧客の声を反映しているとは言いがたいのではないでしょうか。

定期的な測定・分析なしに、顧客の声を反映することは難しいものです。日々の活動を通じて顧客は進化を続けますし、企業や店舗への満足に対する要求水準は止まることはありません。企業はスパイラル状に成長していくと言われておりますが、顧客の要求水準は下がることはないのです。仮に同じペースで成長していても、対応速度によっては失望されてしまうこともままあります。小売業においては、店舗に対する顧客の期待水準に追いつかれ、追い越された時、顧客の感動が失望に変わります。

常に高い志を持ちつつ、現場での定着を意識した取り組みを、顧客の声を定期的に測定・分析することを通じて計画的に実行していくことが必要です。